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2020 Fiscal Year Research-status Report

全身性強皮症の自己抗原反応性B細胞のサイトカイン産生が他の免疫系に与える影響解析

Research Project

Project/Area Number 20K22925
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

深澤 毅倫  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80884056)

Project Period (FY) 2020-09-11 – 2022-03-31
KeywordsB細胞 / 自己反応性B細胞 / 全身性強皮症 / サイトカイン / affinity
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、マイクロ空間を用いた独自の技術と方法論を用い、全身性強皮症(systemic sclerosis; SSc)における自己反応性B細胞の機能と役割を明らかにした。まず抗Topoisomerase(topo) I抗体陽性SSc患者における末梢血中のtopoI特異的B細胞のサイトカイン産生能の解析を行った。その結果、interleukin (IL)-6やIL-23といった炎症性サイトカインを産生するB細胞やIL-10やIL-35といった抑制性のサイトカインを産生するB細胞がtopo I特異的B細胞集団中に存在することが明らかとなった。さらに、topoI抗原への親和性とサイトカイン産生能との関係を検討したところ、high affinityなB細胞においてIL-6やIL-23を産生するB細胞の割合が多く、それぞれのサイトカイン産生量も多いことが明らかとなった。同様にlow affinityなB細胞においてはIL-10やIL-35といった抑制性のサイトカインを産生するB細胞の割合が多く、産生量も多いことが明らかとなった。さらにtopoI抗原に対してhigh affinityなB細胞が多いほど、皮膚硬化が強く、肺機能が悪いことが明らかとなった。
次にtopoI誘発SScモデルマウスにおいて、B細胞のaffinityの上昇がサイトカイン産生能に与える影響についての検討を行った。このモデルでは4回topo I蛋白を免疫することで皮膚硬化と肺の線維化が完成するが、topo I蛋白を免疫する毎にB細胞のtopo Iに対するaffinityは強められることが明らかとなった。Low affinityなB細胞が多い、topo Iを1回だけ免疫したマウスにおいて、IL-10やIL-35といった抑制性のサイトカインを産生するB細胞の割合が多かったのに対し、high affinityなB細胞が多い、topo Iを4回免疫したマウスにおいては、IL-6やIL-23といった炎症性のサイトカインを産生するB細胞の割合が多いことが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでに独自のマイクロ空間を用いた独自の技術と方法論を用い、全身性強皮症(systemic sclerosis; SSc)における自己反応性B細胞の機能と役割を明らかにした。topoI特異的B細胞が、interleukin (IL)-6やIL-23といった炎症性サイトカインを産生するB細胞やIL-10やIL-35といった抑制性のサイトカインを産生するB細胞がtopo I特異的B細胞集団中に存在し、topoI抗原への親和性が高いほど、炎症性サイトカインを産生する割合が多く、それぞれのサイトカイン産生量も多いことが明らかとなった。同様にlow affinityなB細胞においてはIL-10やIL-35といった抑制性のサイトカインを産生するB細胞の割合が多く、産生量も多いことが明らかとなった。さらにtopoI抗原に対してhigh affinityなB細胞が多いほど、皮膚硬化が強く、肺機能が悪いことが明らかとなった。
次に、topoI誘発SScモデルマウスにおいて、B細胞のaffinityの上昇がサイトカイン産生能に与える影響についての検討も行った。topo I蛋白を免疫する毎にB細胞のtopo Iに対するaffinityは強められることが明らかとなった。現在、マウスモデルにおける検討および他の免疫担当細胞に対する効果について検討を行っている。

Strategy for Future Research Activity

B細胞は多彩な役割を持つ。抗体産生能以外に、B細胞は免疫系において中心的な役割を果たすと考えられるようになっている。B細胞から産生されたサイトカインは、T細胞やマクロファージ、樹状細胞といった免疫担当細胞を活性化し、分化を誘導する。さらに、B細胞は免疫系を活性化させるのみならず、抑制させる働きをも持つことが報告されている。このような背景から、B細胞が自己免疫疾患においても中心的な役割を果たすことが示唆されている。自己抗原反応性B細胞の機能を明らかとすることで、数あるB細胞集団中から、病原性を有するB細胞集団を明らかとし、さらに少数の自己抗原反応性B細胞のタンパク分析により、表面抗原の分析によって新たな治療ターゲットの同定を目指す。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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