2021 Fiscal Year Annual Research Report
成人の慢性腎臓病患者に潜在するネフロン癆の実態解明
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20K22926
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤丸 拓也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (40880547)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 末期腎不全 / ネフロン癆 / 次世代シーケンサー / 遺伝子解析 / 遺伝子改変モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1.成人末期腎不全患者の遺伝学的背景を明らかにすること、2.遺伝学的にネフロン癆と診断された症例に特徴的な臨床・病理学的所見を明らかにすること、3.iPS細胞からの腎臓オルガノイドと遺伝子改変マウスを用いてネフロン癆の新規病態解明や新規治療法開発につなげることを目的としている。 1.成人末期腎不全患者の遺伝学的背景を明らかにするために、複数の透析病院と共同研究を立ち上げ、100名以上の説明同意を得て血液検体の採取を行った。 ネフロン癆の4分の1を占めると考えられるNPHP1欠損の簡易PCRスクリーニング法を開発しスクリーニング検査を実施。その後、次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析の準備も進めた。 2.腎生検にてネフロン癆の可能性が疑われた日本全国の成人患者を集めて網羅的遺伝子解析を行い、本邦でも成人慢性腎臓病患者の中にネフロン癆患者が潜在していることを遺伝学的に明らかにした。さらに、遺伝学的にネフロン癆と確認・診断された症例は、腎生検時の年齢が若い傾向があることを明らかにした。また、ネフロン癆の遺伝子変異を認める患者には、組織学的に尿細管の基底膜に厚い二重化が認められることを明らかにした。これらの結果は、本邦において、成人でも原因不明の腎機能障害患者に対してネフロン癆を疑う重要性を明らかにすると同時に、その臨床像は成人におけるネフロン癆の診断の一助となるものであり、今後の慢性腎臓病診療に繋がることが期待される。これらの研究結果は国際腎臓学会が発行している国際科学誌であるKidney International Reportsに発表された。 3.遺伝子改変マウスとiPS細胞のネフロン癆モデル作成に成功した。その後、ネフロン癆の新規病態解明や2で得られた所見の病態生理的意義を探索した。
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[Presentation] PKD1遺伝子の複合ヘテロ接合性変異により胎児期発症多発性嚢胞腎を呈した症例における一次線毛の観察2021
Author(s)
谷口洋平, 三浦健一郎, 白井陽子, 安藤太郎, 石和翔, 金子直人, 石塚喜世伸, 秋岡祐子, 堀田茂, 原聡, 藤丸拓也, 森崇寧, 蘇原映誠, 内田信一, 山口裕, 服部元史
Organizer
第56回日本小児腎臓病学会学術集会
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[Presentation] ADPKD患者における遺伝子変異と心臓弁膜症の関係性2021
Author(s)
関根章成, 藤丸拓也, 諏訪部達也, 大庭悠貴, 水野裕基, 川田真宏, 長谷川詠子, 山内真之, 早見典子, 田中希穂, 森崇寧, 蘇原映誠, 内田信一, 澤直樹, 乳原善文, 星野純一
Organizer
第64回日本腎臓学会学術総会
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