2020 Fiscal Year Research-status Report
白血病関連遺伝子EVI1の正常造血における下流標的の検討
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20K22934
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千葉 晶輝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70875947)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
In vitroで3xFLAG tagをEvi1遺伝子の3’端にノックインしたマウス造血細胞株32Dcl3をCRISPR-Cas9 systemを用いて作成することに成功した。この細胞株においてChIP-seqを施行し、正常造血におけるEvi1の下流標的たりうる候補遺伝子を複数同定した。さらにEvi1をノックアウトした同細胞株のRNA-seqのデータや、Evi1高発現マウス白血病細胞を利用したChIP-seqのデータと統合することで、正常造血に特異的な、造血細胞の未分化性維持に関わる可能性の高い遺伝子群を抽出した。この遺伝子群候補の生理的な意義を検討するために、Evi1を条件的に欠失させることが可能なマウスの骨髄細胞を用いた検証を行った。具体的には、これらの遺伝子群の中で、Evi1欠失に連動して発現の低下する遺伝子群を、Evi1と協調して造血幹細胞の未分化性の維持に関わる遺伝子として考え、候補遺伝子を絞った。これらのうち数個の遺伝子は32Dcl3において欠失させるとEvi1を欠失した時と同様の表現型を示し、今後のさらなる解析を進める遺伝子の候補とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の遂行に必要な遺伝子改変細胞株を作成することに成功した。またその細胞株を利用して次世代シークエンス解析を進め、候補となりうる遺伝子の候補を複数同定し、その評価をex vivo, in vivoで今後行う準備が完了しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
候補となりうる遺伝子群の評価をex vivo, in vivoの系で行う。具体的には、前者はEvi1欠失したマウスの造血幹細胞に候補遺伝子を過剰発現させることにより、コロニー形成能が回復するかを検証する。後者は競合移植の系を用いることによりEvi1欠失が候補遺伝子の過剰発現によりレスキューされるかを検証する。
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