2020 Fiscal Year Research-status Report
アルドステロン産生副腎過形成の成因となる脂肪組織由来miRNAの探索と機能解析
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20K22935
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中野 雄二郎 金沢大学, 附属病院, 助教 (10883895)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | aldosterone / obesity / miRNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性アルドステロン症(PA)は高血圧全体の約10%を占める二次性高血圧症であるが、手術適応がなく生涯のアルドステロン拮抗薬(MRA)内服が必要である特発性アルドステロン症(IHA)が増加している。IHAでは、肥満症患者における脂肪組織からアルドステロン産生刺激物質が分泌されている可能性が推察されてきたが、その存在は未解明である。そこで、IHA患者の採血サンプルを用い、脂肪組織が多く分泌する因子のうちmicroRNA(miR)に焦点を当てて以下の如く研究を進めている。 【1. ヒト肥満IHAにおける特徴的な血中miRの網羅的解析(1年目)】対象を肥満かつIHA症例 4例、非肥満のIHA症例 4例、肥満の非PA症例 4例から血漿をサンプリングし、エクソソーム内のmiRを抽出した。これら12サンプルをそれぞれwhole-miRNA sequenceにてmiR発現解析を行う予定である。 【2. 肥満症患者の脂肪細胞における候補miR発現の解析(1~2年目)】上記miRNA-seqの結果をもとに進める。肥満患者の脂肪組織の収集を継続している。 【3. ヒト副腎皮質細胞株を用いた候補miRの機能解析(2年目)】倫理申請中である。並行して物品準備はほぼ完了している。 【4. 肥満IHAの体重減少による血中miRおよびIHA病勢変化の解析(1~2年目)】肥満IHA患者の症例登録を蓄積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
miRNA-seqが2020年度に実施できる予定であったが、受託会社の受け入れ制限があったため、2021年4月にずれ込んだ。また、肥満外科手術の件数が減ったため肥満患者の脂肪組織の収集が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
【1. ヒト肥満IHAにおける特徴的な血中miRの網羅的解析(1年目)】2021年4月にmiRNA-seqを提出することとしている。 【2. 肥満症患者の脂肪細胞における候補miR発現の解析(1~2年目)】上記miRNA-seqの結果をもとに進める。肥満患者の脂肪組織の収集を継続している。 【3. ヒト副腎皮質細胞株を用いた候補miRの機能解析(2年目)】倫理申請を完了させ、細胞収集を始める。予定の発現解析を進める。 【4. 肥満IHAの体重減少による血中miRおよびIHA病勢変化の解析(1~2年目)】症例登録を進めると共に、登録済みの症例の経過評価、サンプリングを行う。
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Causes of Carryover |
2020年度に行えなかったmiRNA-seqに使用する。およそ1,000,000円を見込んでいた。
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