2022 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫における小胞体ストレス応答の解明に基づいた新規治療法開発
Project/Area Number |
20K22963
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
栗原 大聖 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (20887880)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
Keywords | 骨肉腫 / XBP1 / 小胞体ストレス応答 / PERK経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
RT2 Profiler PCR Arraysを用いて、4つの骨肉腫細胞株における小胞体ストレス応答に関連する遺伝子のスクリーニングを行った。小胞体ストレス応答には3つの経路(IRE1α、PERK、ATF6)が存在するが、いずれの細胞株においても3つのうちIRE1α-XBP1経路、PERK経路の活性化が示唆されたため、IRE1αとPERK経路に注目し、阻害剤やsiRNAを用いた実験/検証を行った。IRE1α経路の阻害剤としては、以前までの我々の研究で使用したToyocamycinを用い、PERK経路の阻害剤としては過去の論文で使用されていたGSK2606414とISRIBを用いin vitroでの検証を行った。Toyocamycinでは全ての細胞株に細胞増殖抑制効果を示し、またXBP1に対するsiRNAも骨肉腫細胞株に増殖抑制効果を示した。一方、PERK経路阻害剤であるGSK2606414、ISRIBともに全ての細胞株に効果を示さず、またPERK経路の中 のATF4およびEIF2Aに対するsiRNAも骨肉腫細胞株に増殖抑制効果は示さなかった。このことから、骨肉腫細胞株では、IRE1α-XBP1経路がストレス応答に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。さらに、骨肉腫臨床検体を用いた検証では、いずれの検体においてもXBP1s/XBP1uの発現傾向は細胞株と同様であり、細胞株と同様の効果が期待できる可能性が示された。また、肉腫細胞株ではIRE1α-XBP1経路阻害剤がEwing's肉腫・骨肉腫に抗腫瘍効果を示したが、滑膜肉腫では全く抗腫瘍効果を示さなかったことは興味深い。これらの研究成果は、論文としてまとめ国際学術誌に掲載されている。
|
-
[Journal Article] Endoplasmic Reticulum Stress in Osteosarcoma: IRE1α-XBP1 Inhibition Exerts Anti-Tumor Activity.2023
Author(s)
Sasa K, Saito T, Kurihara T, Hasegawa N, Sano K, Kubota D, Akaike K, Okubo T, Hayashi T, Takagi T, Yao T, Ishijima M, Suehara Y.
-
Journal Title
J Oncol Res Ther
Volume: 7
Pages: 10157
DOI
Peer Reviewed / Open Access