2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel algorithm for quantitative urodynamics assessment using ultrasound vector flow imaging
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20K22968
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 琢郎 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (50748754)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 医用超音波 / ウロダイナミクス / ベクターフローイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
尿道内排尿流動態の定量的評価のため,生体内の排尿流動態イメージングを実現する高速超音波イメージングシステムを構築した.プログラマブル超音波プラットフォームとカスタム経直腸リニアアレイトランスデューサを用いたハードウエア上に,先行研究に基づくUro-VPI用の超音波送受信シーケンス及び信号処理ソフトウェアを実装した.昨年度構築した下部尿路模型及び疑似排尿流動態の実験環境を用い,構築したシステムが対象の疑似排尿流動態を高時間空間分解能で可視化できる事を確認した.さらに,昨年度構築した2D-PIVシステムのレーザーシートの位置を精密に制御できるリニアステージを新たに導入し,3D-3C PIV計測システムを構築することにより,複雑速度場の計測及び圧力勾配推定の高精度な検証環境を構築した. 2021年6月~11月の期間,実施医療機関の倫理審査委員会の承認の下,十分な説明に基づくインフォームドコンセントが得られた34症例の下部尿路症状を有する男性患者を対象として,開発したUro-VPIシステムを用いて,生体内の下部尿路排尿流動態を計測・可視化する臨床研究を実施した.登録症例34例のうち,Uro-VPI撮影中に排尿が可能であったのは26例(76.5%)であり,実際に流れの可視化が1動画以上可能であったのは,17例(50%)であった.撮影箇所は前立腺部から球部尿道であり,尿道の腹側への湾曲や排尿開始・終末期の尿道括約筋の運動など,複雑な流路の形態・変形に伴う尿道内排尿流の時空間変動を,最小1/40倍速のスローモーション表示で詳細に可視化できた.観測された最大流速は約2.5 m/sであり,6例の画像では尿道内に渦状の流れ形成が観測された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書の予定通り,実験室環境における下部尿路の流れ模擬システム,光学(PIV)/超音波流れ同時計測環境,および高速超音波撮像法に基づく排尿流動態イメージングシステムの構築を完了した.さらに,流れのパターン解析および圧力勾配推定法のアルゴリズム開発も順調である.また,生体内の生理的排尿流を対象とした尿道内排尿流のイメージングを実施することができ,高速超音波撮像による詳細な排尿流の可視化を実証できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに構築した,実験環境,計測システム,解析アルゴリズムを融合して,排尿症状に関連する尿道内排尿流動態の流体力学的因子について理解を進める.また,生体イメージングによって排尿流動態とともに得られた尿道壁面や外尿道括約筋などの形態・運動性状を定量的に解析し,尿道内の流速分布との因果関係についても研究を進めていく.
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Causes of Carryover |
県外移動の制限等のため、排尿流動態の生体データ取得に当初計画以上の期間が必要であったため、現在データ解析と成果発表準備を継続している.次年度は本研究課題の成果発表を重点的に実施する.
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