2021 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージを介した椎間板内神経成長因子誘導機構の解明と腰痛との関連性の検討
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20K22984
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中脇 充章 北里大学, 医学部, 助教 (00623175)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | マクロファージ / 神経成長因子 / 椎間板性腰痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにNGF産生を制御し得るマクロファージ由来因子としてTNF-αとTGF-βを同定した。本年度はTNF-α KOマウスおよびTGF-β阻害剤を用いて椎間板組織内のNGF発現制御機構を検討した。野生型マウスC57BL/6J(傷害群)及びTNF-KOマウスに対し27G針を用いて椎間板傷害モデルを作製した。椎間板傷害C57BL/6JマウスにTGF-β阻害剤(SB431542)を腹腔内に投与した。椎間板傷害を行わなかった群をコントロールとした。各群の椎間板におけるTNF-α, TGF-β, NGFの発現をreal time PCR, ELISAを用いて検討した。椎間板傷害後、傷害群においてTNF-α, TGF-βの上昇が認められた。傷害群、TNF抑制群、TGF抑制群でNGF mRNAの発現上昇を認めたが、TGF抑制群では傷害群に比べ有意にNGFの発現が抑制された。一方、TNF抑制群ではNGF発現の抑制は認められなかった。TNF-αはマクロファージによって産生されること、in vitroにおいてTNF-αは椎間板細胞によってNGF産生を増加せることを明らかにしてきたが、本年度の結果から、傷害初期のNGFの発現にはマクロファージの関与は少ない可能性が示唆された。一方、傷害後期のNGFはTGF-β阻害剤によって抑制された。このことからマクロファージは傷害後期にNGFを制御している可能性が示唆された。マクロファージを標的としたNGF制御は椎間板性腰痛治療に有用かもしれない。
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Research Products
(1 results)