2021 Fiscal Year Annual Research Report
Nanowire capture genomic biopsy of urine in patients with brain tumors in 60 minutes
Project/Area Number |
20K23000
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
Adilijiang Alimu 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, リサーチレジデント (30880348)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / ゲノム / バイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
脳腫瘍の治療に対する遺伝子診断の重要性が増す中、本研究では遺伝子の一塩基多型(SNP)に焦点を当て、脳腫瘍の術中迅速遺伝子診断及び術前の非侵襲的遺伝子診断を目指した。 脳腫瘍には、IDH1 R132H遺伝子変異をはじめ、IDH2, TERT, PIC3CA, EGFR, BRAF, PDGFRA, CTNNB1, H3F3Aなどの遺伝子に変異が見られる。これら遺伝子変異により疾患の診断が可能であり、これらを術中迅速SNPs装置により同定することは、患者の治療、予後に極めて重要である。本研究ではまずIDH2, EGFR, BRAF,H3F3Aらのホットスポット変異に対するQプローブの設計・作成を行った。これらプローブについて、臨床腫瘍検体を用いてi-Densy装置で解析した。具体的には、作成したQプローブを対象DNAに水素結合させ、加熱してある一定の温度なると結合が変性されて発光する。1塩基の変化により変性温度が変化するため、温度差から遺伝子変異が判断可能となった。 また、同定された遺伝子異常の再確認のために、同一腫瘍組織検体を用いて、QIAGENキットによりDNA抽出し、サンガーシークエンス法により適切な結果が得られたことを確認した。 最終年度においては、IDH1 R132Hの高感度測定系構築を行なった。プラスミドを使った模擬検体を使って、IDH1 R132H変異に対する高感度プローブを作成し、野生型IDH検体と変異型IDH R132H検体を混ぜて、0.01%の変異を正確に検出することができた。現在IDH2, EGFR, BRAF,H3F3Aらに対する同様の高感度測定系構築も模索している。この測定計が尿中の腫瘍由来微量DNA中の変異を検出し、今後脳腫瘍早期診断・治療への臨床応用が期待される。
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