2020 Fiscal Year Research-status Report
骨移動術による巨大骨欠損修復を加速する骨形成促進シーズの開発
Project/Area Number |
20K23008
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
田澤 諒 北里大学, 医学部, 助教 (30749883)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 骨移動術 / 成長因子 / 局所送達 |
Outline of Annual Research Achievements |
重度外傷で生じる巨大骨欠損は極めて難治性であり、患者QOL、ADLを著しく低下させる。創外固定器を用いた骨移動術は優れた骨欠損修復法であるがdocking siteでは高率に偽関節を生じる。本研究では局所硬化ゲルを用いた成長因子徐放によるdocking siteの骨癒合促進効果を検討した。6ヶ月齢C57BL/6J雄性マウスの右大腿骨に骨移動可能な創外固定器を装着して2mmの骨欠損と移動骨片を作製した。術後2日目から0.2mm/日で10日間骨移動させる0.2mm群、1.0mm/日で2日間移動させる1.0mm群、1.0mm群にBMP-2 2.0μgを含有させた局所硬化ヒアルロン酸ゲルを投与したHA/BMP-2群、骨移動も薬剤投与も行わないcontrol群を作製した(各n=8)。術後、軟X線撮影で新生骨形成過程を評価した。術後56日目にμCTを撮影し、新生骨の骨量、consolidation、docking siteの骨癒合を評価した。μCT撮影後、パラフィン薄切切片を作製してHE染色を行ったBMP-2群では継時的な新生骨出現を認め、術後56日目における骨量、骨塩量は1.0mm群、control群と比較し有意に多かった。また、HA/BMP-2群では全例X線学的、組織学的にconsolidationを認めた。コントロール、1.0mmでconsolidationを認めた個体は0/8, 2/8例であった。docking siteの骨癒合はそれぞれ0.2mm群で4/8例、1.0mm群で5/8例、コントロール群で0/8例であったのに対してHA/BMP-2群では全例で骨癒合が認められた。骨移動術にBMP-2含有人局所硬化ゲルを併用することでconsolidation、docking siteの骨癒合が促進された。本方法は巨大骨欠損治療に有用かもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、骨移動術における骨形成促進シーズの開発に成功しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
骨形成促進メカニズム、成長因子徐放特性を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の蔓延により骨形成促進メカニズムの解析に必要なPCR関連試薬や備品が一部メーカー欠品となっていた。そのため、解析に遅れが生じた。次年度使用する予定である。
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Research Products
(1 results)