2020 Fiscal Year Research-status Report
Pathological analysis of the lymphatic vessels and the surrounding tissues in lymphedema patients and developement of the treatment
Project/Area Number |
20K23011
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
原 尚子 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 客員研究員 (50624243)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
Keywords | リンパ浮腫 / 集合リンパ管 / LYVE-1 / podoplanin |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、国内に約20万人のリンパ浮腫患者がいる。主に子宮癌、卵巣癌、乳癌などの治療としてリンパ節郭清、放射線治療、化学療法などを行われたあとに、リンパ管機能不全が生じ、リンパ浮腫が発症する。我々はリンパ管静脈吻合術(LVA)、血管付きリンパ節移植、脂肪吸引などを行い治療効果を得ているが、リンパ浮腫を根治させる方法はいまのところなく、一度リンパ浮腫を発症すると患者は一生リンパ浮腫とともに生きることになる。リンパ浮腫発症や重症化のリスクファクターとして患者要因で特定されているものはなく、予防法も確立されていない。リンパ浮腫については解明されていないことが多く、治療法開発、予防法開のためには病態解明が必須である。われわれはJR東京総合病院においてリンパ浮腫に対してLVA を行っているが、吻合に必要なくトリミングを行った集合リンパ管や、トリミングした皮膚、皮下脂肪などを解析に使用して病理組織学的解析を行い、リンパ浮腫の治療法の改善、根治的治療の開発、予防法の開発を行うことを目的として本研究を行っている。今年度はまず、JR東京総合病院リンパ外科・再建外科においてLVA術中に下肢または陰部から集合リンパ管を採取し、愛知医科大学解剖学教室においてLYVE-1染色、podoplanin染色などを行い、リンパ浮腫の重症度、部位によるリンパ管所見の違いについて検討を行った。あわせて、JR東京総合病院リンパ外科・再建外科で行っている特殊検査であるリンパ管エコー検査や精密なICGリンパ管蛍光造影法のLVAにおける効果について検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、JR東京総合病院リンパ外科・再建外科において不要不急の手術を見合わせた期間があり、予定していた手術のうち延期されたものがある。そのため、今年度の検体採取数は予定よりも少なくなった。この分を来年度に繰り越して研究を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、今年度に実施できなかった分の検体採取を継続して行っていく。集合リンパ管の病理組織学的所見と、リンパ浮腫の重症度、検体採取部位などとの比較を行い、リンパ浮腫の治療法の改善、根治的治療の開発、予防法の開発を行う。また、各種国内学会、国際学会においてその成果を発表したいと考えているが、新型コロナウイルスの影響により、所属機関から学会参加の自粛が要請されることもある。適宜オンライン参加などを活用しながら、目標を達成すべく努力する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスのパンデミックのため、JR東京総合病院リンパ外科・再建外科において不要不急の手術を自粛した期間がある。そのため、予定していた手術が延期となり、本研究における検体採取のスケジュールが予定よりも遅延した。それに伴い、病理組織学的解析にかかる費用が縮小された。また、研究成果を発表するための各種学会への参加も自粛していたため、学会参加に必要な費用が大幅に縮小された。その分、次年度に検体採取および学会参加を繰り越すこととなった。
|