2021 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of antibacterial carbonate apatite bone substitute
Project/Area Number |
20K23032
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島袋 将弥 九州大学, 歯学研究院, 特任助教 (40883434)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 炭酸アパタイト / 抗菌性 / 骨補填材 / 細菌感染 / 抗菌元素 / 銀 / リン酸銀 / 硬組織再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会の突入を背景として硬組織再建術が急増しており、骨補填材を用いた外科的治療が積極的に行われている。これに伴い、骨補填材の埋植を原因とした細菌感染症が益々深刻化している。既存の骨補填材は、細菌感染に対して抵抗性を示さないため、細菌が材料に付着すると細菌感染症が惹起されてしまう。このため、骨補填材には、細菌制御能として抗菌性が必要不可欠である。本研究課題では、骨と同組成の炭酸アパタイトに着目し、当該材料の要素技術である溶解析出法を応用することで、炭酸アパタイトへの抗菌性付与が可能であると考えた。昨年度では、材料作製と抗菌性と硬組織適合性とを両立する至適濃度(Window)の探索に成功した。そこで本年度の研究実績として、至適リン酸銀濃度の材料を用いて、骨芽細胞の接着・増殖・酵素活性・組織形成をin vitro試験によって詳細に分析し、当該材料が骨芽細胞の応答に影響を及ぼさないことを明らかにした。また当該材料を実験動物に埋植し、病理組織学的解析を行った結果、至適リン酸銀濃度の材料は、埋植後4か月において、炎症反応を伴わずに硬組織再生が可能であり、材料中のリン酸銀の有無によって、新生骨量・材料残存率に影響を及ぼさないことが明らかとなった。このため本研究は、抗菌性と硬組織適合性とを同時に示す新奇な炭酸アパタイト骨補填材の創製に成功した。すなわち研究代表者は、本研究を通じて、硬組織再生と感染症防止とを同時達成する抗菌性炭酸アパタイト骨補填材の創製を達成することができた。
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