2021 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期ストレス負荷が仔の口腔顔面領域の疼痛情報伝達系に与える影響
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20K23039
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
相馬 久実 日本大学, 歯学部, 専修医 (50875820)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 胎生期母体ストレス / セロトニン / 三叉神経節 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、胎児期の母体ストレスに起因した成体期における一次侵害受容ニューロンの情報伝達変調メカニズムの解明を目的としている。初年度には、妊娠ラットに対して胎生初期・中期・後期に拘束よる胎生期ストレスを与え、成体期の機械逃避閾値の低下への胎児期の母体ストレスの関与を確認した。最終年度は、生後7週目の胎生初期ストレスモデルの三叉神経節(TG)にセロトニン(5-HT)受容体アンタゴニスト(Granisetron)およびNav1.8 Blockerを投与し、経時的に機械逃避閾値を測定し、投与前のPre値および同モデルにVehicle(DPBS)を投与した機械逃避閾値と比較した。Pre値と比較しGranisetronおよびNav1.8 Blocker投与後30分~90分に有意な機械逃避閾値の上昇を認め、Vehicle群と比較しGranisetronおよびNav1.8 Blocker投与後30分~90分に有意な機械逃避閾値の上昇を認めた。また、生後7週目のNaive群のTGに5-HTを投与し、経時的に機械逃避閾値を測定し、投与前のPre値および同モデルにVehicle(DPBS)を投与した機械逃避閾値と比較した。Pre値と比較し5-HT投与後30分~90分に有意な機械逃避閾値の低下を認め、Vehicle群と比較し5-HT投与後30分~90分に有意な機械逃避閾値の低下を認めた。以上より、成体期の機械逃避閾値低下には、胎児期の母体ストレスが関与することと5-HTおよびNav1.8が関与することが示唆された。今後は、胎生初期ストレスモデルTGにおけるセロトニン量を定量解析し、免疫組織化学的手法によりセロトニン産生細胞とNav1.8陽性細胞を同定する予定である。
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