2020 Fiscal Year Research-status Report
学童期の咀嚼能力に影響を与える因子の特定と関連に関する研究
Project/Area Number |
20K23040
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Research Institution | Otemae Junior College |
Principal Investigator |
白水 雅子 大手前短期大学, 歯科衛生学科, 助教 (10879448)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 咀嚼能力 / 学童期 / 歯列交換期 / 食育 / 口腔健康管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児期の咀嚼機能の発達不全は,成人期や高齢期における咀嚼機能の低下に繋がるため,早期に発見し,適切な治療や指導を行って正常な発達を促すことが重要である.学童期の食生活指導はその成長段階に合わせて行う必要があり,側方歯群交換期には咀嚼能力の低下が見られると指摘されているが,その時期の咀嚼能力や食品摂取状況に関しては明らかになっていない.本研究は,歯列交換期の小学生を対象に,咀嚼能力および食品摂取状況に関するデータを収集し,歯列交換期における咀嚼能力の特徴について定量的に明らかにするとともに,歯列交換期の咀嚼機能に影響を及ぼす因子を解析し,摂取可能食品と咀嚼能力との関連性について検討を行うことを目的としている。 2020年度は、兵庫県の一カ所にある小学校にて、4-6年生の児童(約300名)を対象に、学校歯科検診と歯式からHellmanの歯齢を決定、咀嚼能力測定用グミゼリー(UHA味覚糖)とキシリトール咀嚼チェックガム(ロッテ)による咀嚼能力検査、プレスケールⅡ(ジーシー)による咬合力検査、握力測定,5mの最大歩行速度、摂取食品状況アンケートのデータの収集を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により上記調査を実施することができなかった。 そのため、2020年以前にすでに取得済みであるデータを用いて、年齢毎・歯齢毎の口腔機能・摂取可能食品の基礎統計および歯齢の変化による咀嚼能力の変化について、検討を行った。その結果、歯齢により咀嚼能力測定用グミゼリーとキシリトール咀嚼チェックガムの咀嚼能力発達の違いや咀嚼能力と身体機能との関連に違いがある傾向が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度の11月から12月にかけて,兵庫県の某小学校にておいて、歯科検診および咀嚼機能検査、身体機能検査を実施とアンケートにより摂取食品状況の聞き取り調査をが行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により調査を行うことができなかった。そのため、2020年より前に取得したデータを匿名化し、分析可能な状態にデータ化したのちに解析を行うこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、兵庫県の某小学校を対象とした咀嚼能力,身体能力の測定および摂取食品状況の調査データの収集を行い,歯列交換期における咀嚼能力の変化とその影響因子の解析,咀嚼能力と食品摂取状況との関連を解析する予定である.しかしながら,新型コロナウイルス感染症の影響により,2021年度も測定の実施が難しい状況が不透明であるため、小学校の学校歯科医と連携を図りながら,実施可能な状況を検討する.今後の実施に問題が生じた場合は、引き続き過去に得られたデータからの解析を行うこととする。
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Causes of Carryover |
2020年度は、現地での調査ができなかったため、直接経費のうち研究物品等の物品費が約60%未使用となった。また新型コロナウイルス感染拡大の影響により、県外の学会参加や出張もできなかったため、ほぼ未使用となっている。 引き続き社会情勢や感染拡大の影響も考えて、新たに追加で必要となる器材が出る可能性もあるため2021年度に持ち越すこととした。
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