2021 Fiscal Year Annual Research Report
Spi-Bと標的とした形質細胞様樹状細胞によるインターフェロン産生抑制薬剤の開発
Project/Area Number |
20K23058
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宮嵜 亮 香川大学, 医学部, 協力研究員 (10882433)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
Keywords | 形質細胞様樹状細胞 / インターフェロン |
Outline of Annual Research Achievements |
樹状細胞は、その表面マーカーによって形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell; pDC)と通常樹状細胞(conventional dendritic cell; cDC)に分けられる。pDCは病原センサーとして核酸を認識するToll-like receptor 7 (TLR7)およびTLR9を発現しており、核酸を認識すると多量のⅠ型インターフェロン(IFN)を産生する特徴を持つ。pDCが産生するⅠ型IFNは全身性エリテマトーデス(SLE)、乾癬、およびSjogren症候群(SS)といった自己免疫疾患に関与すると考えられている。本研究では、Ewing肉腫の治療薬として開発が進められている低分子化合物による、pDCのIFN産生抑制効果について検討を行なった。 まずin vitroで分化誘導した樹状細胞を用い、TLR7あるいはTLR9刺激を行った時のIFN-α、およびIL-12p40産生が、低分子化合物を含む条件で低下することを確認した。この実験系でIFN-αを産生するのはpDCだけである事から、低分子化合物がpDCにおけるSpi-Bの機能を抑制すると考えている。 次に293T細胞を用いて低分子化合物存在下でのSpi-BとIRF-7によるIfna4 promoter活性化についてpromoter assayを用いて検討を行なった。その結果低分子化合物は濃度依存的に、IRF-7とSpi-BによるIfna4遺伝子プロモーターの転写活性化を抑制した。 本研究ではin vitroでの低分子化合物のpDCによるIFN産生抑制効果を見出した。今後はin vivoでの検討を予定している。
|