2021 Fiscal Year Annual Research Report
核酸・新規カチオン性高分子複合体の空間的配置の適正化による新規骨誘導性基質の開発
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20K23059
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原 昌士 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (10885297)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 骨再生治療 / DDS / 自己組織化ナノデバイス / Nanoball |
Outline of Annual Research Achievements |
顎骨・歯槽骨の再生治療は、現在でも自家骨移植がgold standard であるが、自家骨採取は大きな侵襲を伴うばかりか、採取量にも限界があるため、低侵襲かつ有効性の高い骨再生技術の開発が求められている。そこで、これらに変わる方法として、研究代表者らは核酸・遺伝子を搭載した骨誘導型遺伝子活性化基質(gene-activated matrix :GAM)の開発を試みてきた。そして、申請者らは、これまでにBMP4をコードするplasmid DNAを内包したアニオン性自己組織化nanodevisce(Nanoball)が、アテロコラーゲン基質に優れた骨誘導性を付与することを見出している。しかしながら、より優れた骨誘導能を人工骨基質に付与するため、本研究課題ではカチオン性のNanoballによるmRNAデリバリーの有効性を評価することとした。 本年度は課題の最終年度であるため、カチオン性高分子であるDGLによるカチオン性のNanoballを搭載したGAMの有効性について、搭載する核酸・遺伝子、および人工骨基質の選定を合わせ、総合的に評価した。その結果、当初予定したmRNAではなく、骨形成に寄与する特定のmicroRNAを搭載したNanoballをOCP/Collagen基質に組み込んだGAMの骨誘導性について、ラット頭蓋骨の造成モデルや欠損モデルにおいて知見を得ることができた。そのため、これまでに自己組織化nanodeviceとして有用性を見いだしているアニオン性高分子γ-PGAで被膜したNanoballを応用したGAMと比較することで、カチオン性Nanoballを応用する有効性について最終的な検討を実施しているところである。
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