2021 Fiscal Year Research-status Report
幹細胞由来細胞外小胞に含まれるmiRNAを用いた薬剤性顎骨壊死の予防
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20K23075
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邊 純奈 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (00877102)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞老化 / マイクロRNA / 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
①薬剤性細胞老化について ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤(デノスマブ)を用いた顎骨壊死の動物モデルの報告はかなり少なく(血管新生抑制作用薬剤では動物モデルの報告がない)、動物モデル作成は困難であることがわかったが、RANKL抗体からモデル作成準備を進めている。ただしモデルがうまくできないことも予想され、その場合はin vitroでの解析のみを行う予定である。細胞内代謝の解析として、破骨細胞、骨髄細胞、線維芽細胞にデノスマブを作用させた場合のニコチンアミドアデニンヌクレオチド・乳酸などの代謝産物の評価中である。 ②EVs由来miRNAとその効果の解析について 骨髄由来間葉系幹細胞のEVsに含まれるmiRNAの網羅的解析の結果、特異的に含まれるmiRNAを幾つか同定した。中でもmiR-Xが老化関連遺伝子(Gene-Y)の発現抑制に関与していることが示された。In vitroでは、そのmiR-Xをラット骨髄壊死モデルに投与したところ、創傷治癒効果が得られた(組織学的評価および遺伝子学的評価を行なった)。またin vivoにおいては、Gene-Yの一部を組み込んだルシフェラーゼベクターを製作した。ルシフェラーゼアッセイによりmiR-XがGene-Yに結合して遺伝子発現に関与していることが明らかとなった。またこのmiRNAに関しては特許申請を目指し、手続き中である。細胞外小胞やmiRNAについてはまだ未知の点が多く、患者を治療する可能性にはさらなる研究が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床と子育て中で時短ということもあり、実験の時間が取れなかった。そこで医員としては退職し、客員研究者として所属し研究の時間を確保することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
①薬剤性細胞老化について デノスマブや血管新生阻害剤による動物モデルがうまくできないことが予想され、その場合はin vitroでの解析のみを行う予定である。細胞内代謝の解析として、破骨細胞、骨髄細胞、線維芽細胞にビスフォスフォネート製剤などを作用させた場合のニコチンアミドアデニンヌクレオチド・乳酸などの代謝産物の評価を終えて報告できるようにする。 ②EVs由来miRNAとその効果の解析について レンチウィルスを介したトランスダクションによりEVsに特定のmiRNAを導入したいと考えている。 MRONJモデルラットに対するmiRNAの老化抑制創傷治癒効果の解明(目的miRNAを取り込ませたEVsによる細胞機能のノックダウン、EVsによるmiRNA輸送経路の解析をする。EVs受容細胞におけるmiRNA標的遺伝子の発現調節の解析をする。
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Causes of Carryover |
子育てにより学会参加できる余裕がなかった(オンラインでもしなかった)。 実験試薬および解析ソフトの購入に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)