2022 Fiscal Year Annual Research Report
MSCs・Mφ相互作用による組織再生起点メカニズム解明と組織再生加速技術の開発
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20K23080
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田頭 龍二 岡山大学, 大学病院, 医員 (20882640)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:創傷治癒過程において, Mφを実験的に枯渇させた場合に組織再生がどう生物学的に影響を受けるのかを明らかにした. 方法:マウスの大腿骨をラウンドバーで穿孔し長管骨損傷モデルとし, さらにクロドロン酸内包リポソームを腹腔内投与してマクロファージ枯渇マウスを作製し, 実験に使用した. In vivoでは, 骨組織をマイクロCT解析, TRAP染色およびマッソントリクローム染色にて, また組織内細胞分布は炎症性マクロファージ(M1), 抗炎症性マクロファージ(M2), 間葉系幹細胞(MSCs), および骨芽細胞をCD80, CD206, PDGFRα, およびRUNX2をそれぞれのマーカーとして、蛍光免疫染色で評価した。In vitroでは、マウス長管骨から採取した骨髄組織からM1、M2およびMSCsを抽出, M1/2とMSCsを共培養し、M1のTnf-α, Il-1β, Il-6およびiNos産生, M2のIl-10およびTgf-β産生, MSCsのHgf, Tgf-β, Il-2およびFas-1産生を指標としてこれら細胞の活性化をreal time RT-PCRにて評価した. 結果:長管骨損傷治癒モデルにおける治癒過程ではM1,MSCsならびにM2の集積と共に骨芽細胞/破骨細胞の分布を認め,この一連の反応はMφの枯渇で阻害され組織再生が抑制された. In vitroにおけるM1/MSCsとM2/MSCsの間接共培養実験では,M1におけるTnf-α,Il-1β,Il-6およびiNosの発現が減少し,M2におけるIl-10発現が増大した.また,M1/MSCs間接共培養でMSCsにおけるHgf,Il-2,Fas-l,Il-4およびIl-13の発現が有意に増大し,M2/MSCs間接共培養では,MSCsにおけるHgf,Il-2,Fas-lおよびTgf-βの発現が有意に増大した.
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