2020 Fiscal Year Annual Research Report
神経堤細胞由来顎骨オルガノイドを用いたMRONJの病態解析及び創薬研究
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20K23082
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本池 総太 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (80881292)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2021-03-31
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Keywords | MRONJ / 顎骨 / オルガノイド / 神経堤細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤関連顎骨壊死(Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw; MRONJ)は、骨吸収抑制剤・血管新生阻害剤投与中の患者に発症する顎骨特異的な難治性骨壊死である。その病態は未だ不明な点が多く、とくに疾患の本態である顎骨の検証は不十分である。そこで、顎骨への影響をヒト細胞で検討可能なin vitroヒトMRONJモデルとして、顎骨組織に相当する顎骨オルガノイドの応用が有効と考えられる。申請者は、独自に開発した細胞集塊Clumps of MSCs/ECM complexes (C-MSCs)のECM硬さを制御することで、YAP/TAZメカノシグナルを介した骨分化が亢進することを見出し、これを応用した硬さ制御ゲル包埋培養によって骨オルガノイドを作製することに成功した。そこで本研究では、顎骨の発生を担うヒト神経堤細胞(NCC)由来間葉系幹細胞(NCC-MSCs)と、細胞集塊からの骨オルガノイド作製技術を応用し、病態解明及び創薬研究に資するin vitro MRONJ モデルの創出を目指した。 これまでの研究成果からNCC-MSCsをiPS細胞から誘導(iNCC-MSCs)し、集塊化(C-iNCC-MSCs)させることに成功した。 令和2年度にはC-MSCsからの骨オルガノイド誘導条件を基準にC-iNCC-MSCsをハイドロゲルに包埋し、顎骨オルガノイドへの誘導方法を検討した。 オルガノイド研究では高い再現性を得るためにゼノフリー条件下での培養が好ましい。そこで、今後は培養条件をすべてXFに改変し、顎骨オルガノイドの誘導法を最適化していく。
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