2021 Fiscal Year Research-status Report
造影超音波検査を用いた口腔癌頸部リンパ節転移の革新的早期診断法の確立
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20K23088
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
杉山 聡美 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学三田病院, 医員 (90880211)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔癌 / センチネルリンパ節 / 造影超音波 / ソナゾイド |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌において造影超音波検査を用いた頸部リンパ節転移診断法が開発できれば,早期に正確な転移診断を行える可能性があると考えた.そこで造影超音波検査 を用いた口腔癌頸部リンパ節転移の革新的早期診断法を確立することを本研究の目的とした.具体的には,「局所進行症例を含む口腔癌患者において,造影超音 波検査による頸部リンパ節転移の診断精度を造影CT検査による転移診断と比較し,同等の診断精度を得ることができるか」および,「早期口腔癌患者の潜在的リンパ節転移を造影超音波検査により同定することが可能か」を検討することとした. 前者では造影CTが撮影された局所進行症例を含む口腔癌患者40例に対してソナゾイドを注射用水2mlで懸濁し,0.015mL/kgを静脈内投与する.投与と同時に頸部リンパ節の超音波検査を行い,造影されたリンパ節の診断結果を造影CT検査での診断結果と比較し,造影CT検査と同等の転移リンパ節診断が可能かを検証する方針とした.また後者では,早期口腔癌患者20例を対象として,CT lymphographyを撮影し,センチネルリンパ節を同定する.手術直前に,口腔癌周囲4か所に各0.5mlのソナゾイドを局注し,造影超音波でセンチネルリンパ節のマッピングを行う.摘出したリンパ節は病理組織学的診断により転移の有無を確認する.術中の造影超音波画像と比較し,潜在リンパ節転移の有無により,造影効果や血流動態などに特有の所見があるか検討する.造影超音波検査を用いセンチネルリンパ節を同定,転移の有無を評価する方針とした. 今年度は異動があり,異動先の施設の倫理委員会で承認を得たため,超音波機器の整備ができ次第,患者のリクルートを開始する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
異動により,倫理委員会への書類作成の見直しや修正が必要となった.また,超音波機器が旧型であり,業務上の問題もあることから新機種を整備する方針となった.世界的に半導体の調達が困難な状況とのことで,機器の整備ができ次第,患者のリクルートを開始予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
「局所進行症例を含む口腔癌患者において,造影超音波検査による頸部リンパ節転移の診断精度を造影CT検査による転移診断と比較し,同等の診断精度を得ることができるか」および,「早期口腔癌患者の潜在的リンパ節転移を造影超音波検査により同定することが可能か」を検証する予定である. 今後の方針としては,まず前者の課題を先行して実施したいと考えている.機器整備の目処がつき次第,損害賠償保険への加入や患者リクルートを行う方針である.すでに,使用する超音波造影剤の調達はできており,研究の実施は可能と考える.
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Causes of Carryover |
多くの学会がweb開催となったため,旅費の節約が可能となった. 試験の運用開始に遅れが生じているが,検査費用や保険に加入するための費用等は次年度での使用を見込んでいる.
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