2022 Fiscal Year Annual Research Report
造影超音波検査を用いた口腔癌頸部リンパ節転移の革新的早期診断法の確立
Project/Area Number |
20K23088
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
杉山 聡美 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学三田病院, 医員 (90880211)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 造影超音波 / ソナゾイド / 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
超音波造影剤を用いたリンパ節転移診断やセンチネルリンパ節の同定は,すでに乳がんで実践されてきた.頭頸部領域ではセンチネルリンパ節の同定目的に,すでに先行研究が実施されているが,ソナゾイドを局所投与していること,センチネルリンパ節生検である点で本研究と異なっている.また,化学放射線療法における頸部超音波検査の有用性を検討した研究はあるが,造影剤を使用していない点で本研究と異なっている.造影超音波検査は,造影剤のほかに,高額な機器を購入することなく,一般的な超音波検査機器で診断が可能となるため,本研究により造影超音波検査を用いて頸部リンパ節の転移診断やセンチネルリンパ節診断が可能となれば, 多くの施設,地域でヨード造影剤を使用しない診断法として普及すると考えた.本研究では,「局所進行症例を含む頭頸部癌患者において,造影超音波検査による頸部リンパ節転移の診断精度を造影CT検査による転移診断と比較し,同等の診断精度を得ることができるか」を検討することで,造影超音波検査を用いた頭頸部癌頸部リンパ節転移の革新的早期診断法の確立を目指した. まず2022年度には造影超音波診断装置が導入され,倫理委員会での承認を得て研究を実施できる段階に到達することができた.しかしコロナ禍にあり,受診患者の減少や手術枠の縮小により,年度末にいたっても造影超音波検査を実施することはできなかった.今後は口腔癌のみならず頭頸部癌も含めるなど,適応患者の拡大も視野にいれた研究計画の変更が必要である.頭頸部癌にたいする集学的治療の可能な施設において本研究を実施することで,希少癌の診断・治療に貢献できると考えた.
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