2022 Fiscal Year Annual Research Report
吸入麻酔薬Xeキセノンの溶解による静脈内鎮静法の可能性
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20K23090
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| Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
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Principal Investigator |
岩本 理恵 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (60779875)
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2020-09-11 – 2023-03-31
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| Keywords | キセノンガス / 静脈内鎮静法 / 吸入麻酔薬 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
キセノン(Xe)は理想の吸入麻酔薬である。その理由としては、①きわめて迅速な麻酔作用、②鎮痛作用、③低毒性、④臓器保護作用、⑤心機能抑制及び呼吸抑制が少ないことが挙げられる。しかし、きわめて高価であり、臨床ではあまり普及していないのが実際である。一方、歯科領域の静脈内鎮静法(IVS)は、呼吸抑制・反射抑制が起こり誤嚥や呼吸停止の可能性もある。有病者では特に心機能抑制、循環虚脱、心停止のリスクが増す。したがって呼吸・循環抑制のないIVSが可能となれば理想的である。
本研究では、Xeの①および⑤の特徴に注目し、Xeを液体に溶解させて静脈麻酔薬を作製し、静脈内投与することで鎮静ができることを明らかにし、その方法の開発基盤を構築することを目的とした。このXeを直接静脈内へ投与することが可能となれば、吸入麻酔薬として用いる場合よりも少量で十分な鎮静効果が得られ、さらにはXeの特徴である迅速な麻酔作用、心機能および呼吸抑制が少ない利点をもつIVSが可能となる。
本研究では、まずXe溶解液の作製から着手した。Xeの物理的性質上、比較的液体への溶解度が高く、脂溶性の性質を持つことに注目し、溶媒としてすでに臨床使用されている20%脂肪乳剤を使用した。また、気体の溶解度を高めるため、加圧・冷却可能な特性ガラス容器を作製し、そこに先ほどの脂肪乳剤とXeを添加し、加圧した。同時にこの容器自体を冷却・振盪を行うことで、より高濃度のXe溶解液を作製することに成功した。次に、この作製したXe溶解液をマウスの尾静脈内投与(単回投与)を行った。鎮静効果を評価する方法としては投与前後の行動観察をスコア化して評価を行った。さらに、静脈内投与してから回復時間を計測した。その結果、Xe溶解液による静脈内投与により麻酔鎮静効果が得られることを確認した。
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