2022 Fiscal Year Annual Research Report
Piezo1に着目した外傷性咬合を伴う歯周炎の歯槽骨吸収メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K23091
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
竹谷 佳将 明海大学, 歯学部, 助教 (90875379)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周炎 / 外傷性咬合 / メカニカルストレス / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周炎の存在下で外傷性咬合が加わると,歯槽骨吸収が急速に進行することが知られている.しかしながら炎症とメカニカルストレスの相互作用による分子メカニズムは未だ不明な点が多い.そこで本研究では歯周炎存在下での外傷性咬合による歯槽骨吸収の分子メカニズムを明らかにすることを目的として骨芽細胞に発現するカルシウムイオンチャネルPiezo1の働きに注目した.マウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1にPorphyromonas gingivalis由来LPS(P.g-LPS)存在下でメカニカルストレスを負荷した際のRANKL/OPG比の変化に対するPiezo1の役割を検討した. まず,Piezo1発現およびRANKL/OPG比に対するP.g-LPSとメカニカルストレスの関与を検討するため,MC3T3-E1細胞をP.g-LPSを添加した培地で3日間培養後,メカニカルストレスとして細胞プレートを小型卓上振とう機上に設置し,旋回振とうさせることで生じる流水せん断応力を負荷した.P.g-LPS添加,メカニカルストレス負荷の有無に関わらず,Piezo1 mRNA発現量の有意な変化はみられなかったが,RANKL/OPG比はP.g-LPSとメカニカルストレスの共存下で有意に上昇した.次に,RANKL/OPG比の有意な上昇に対するPiezo1の関与を検討するため,Piezo1アンタゴニスト添加またはPiezo1 siRNA導入によってPiezo1をノックダウンした細胞にメカニカルストレスを負荷した.その結果,P.g-LPSとメカニカルストレスの共存下におけるRANKL/OPG比の上昇が有意に抑制された. 以上の結果から,Piezo1はP.g-LPS存在下でMC3T3-E1にメカニカルストレスを負荷した際のRANKL/OPG比の上昇に関与していることが示唆された.
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