2021 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞を用いた睡眠時ブラキシズム発症機序に関する神経機構の解明
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20K23092
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中井 健人 昭和大学, 歯学部, 助教 (00880444)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / 疾患特異的iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時ブラキシズム(SB)は顎口腔系に為害作用をもたらす可能性があるが,発生機序は未だ明らかではない.セロトニン2A受容体 (5-HT2AR) 遺伝子 (HTR2A) の一塩基多型がSBの発症リスクである可能性が報告され,一方で5-HT2ARを発現するGABA作動性ニューロンの睡眠中の活性減弱が三叉神経運動路に関与する可能性が示唆されている.本研究では,神経細胞モデルとして分化誘導させたSB特異的hiPS細胞由来ニューロンの特性を電気生理学的解析,遺伝子発現解析を行い,SB患者生体内の神経機構の解明を目指したものである.当該年度では,HTR2Aプロモーターに特異的なレンチウイルスを用いてHTR2A陽性ニューロンをZsGreen1で標識,さらに5-HT2ARを標識した.DIV51のhiPS細胞に対してシングルセルRNA-seqを行った結果,約90%がMAP2遺伝子を発現し,また,SYN1,SYN2,SYP,DLG4などのシナプスマーカーの発現を認めた.さらに神経細胞マーカーの発現から,神経細胞集団にはグルタミン酸作動性,GABA作動性,コリン作動性,ドーパミン作動性,セロトニン作動性のニューロンが含まれることが示された.共局在するZsGreen1陽性かつ5-HT2AR陽性のニューロンは,グルタミン酸作動性,GABA作動性,コリン作動性ニューロンマーカーを比較的多く発現していた.ターゲットニューロンの電気生理学的解析により,電気刺激への応答および5-HT2A受容体選択的アゴニスト投与時の応答を観察したところ,脱分極性パルスに対する連続発火を確認し,5-HT2A受容体選択的アゴニストであるTCB-2を投与すると内向き電流の発生を認めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19による影響で,iPS細胞を扱うラボでの活動が制限された期間があったため,解析サンプルを準備する時間が当初の予測よりかかってしまったこと,参加を予定していた学会が延期になったことなどにより, やや遅れが生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
取りまとめた研究結果について,学会にて発表を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
COVID-19による影響で,解析およびデータの取りまとめに要する時間が当初の予測よりかかってしまい,次年度使用額が生じた.翌年度に専門学会での成果発表に使用予定である.
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Research Products
(1 results)