2021 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌における原発巣‐遠隔転移模倣モデルを用いた転移メカニズムの解明
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20K23093
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
筑田 洵一郎 昭和大学, 歯学部, 助教 (30882518)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 癌幹細胞 / micro RNA / 転移 / 同所性移植モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、口腔癌細胞株の免疫不全マウス同所性移植モデルおよび経尾静脈モデルを樹立し、転移メカニズムを解明することにある。上皮間葉転換や抗癌剤耐性は癌の悪性度および治療抵抗性を規定する重要な現象である。癌細胞の中には、これらの形質を獲得した癌幹細胞が存在することで治療後の癌の転移が起こると考えられている。 これまでの転移モデルの大部分は、血中移植手法や異所性の移植によって樹立されている。これらのモデルは、原発巣を離脱した癌細胞が血管に侵入するまでの過程をスキップし、それ以降の過程を人工的に評価するための系であるため、異所性モデルは原発巣の微小環境から浸潤-転移機構の全段階を評価するのが困難であるとされている。 そこで本研究では、原発巣形成から遠隔転移まで全段階を模倣できる同所性転移モデルと、肺転移樹立を目的とした経尾静脈モデルを樹立し、それぞれの比較解析を行うことで、同所性転移モデルに特徴的な遺伝子を明らかにすることが目的である。本研究は、「舌の扁平上皮癌細胞株(SAS細胞)と、癌幹細胞のマーカーであるCD44sが遺伝子導入された癌幹細胞株(SAS/CD44s細胞)を用いて、転移メカニズムを解明する」ために、同所性移植モデルおよび経尾静脈モデルの樹立実験を行った。 ルシフェラーゼとGFPが導入されたSAS細胞とSAS/CD44s細胞を免疫不全マウスの舌あるいは尾静脈に移植し、IVIS Imaging Systemにより評価する予定であったが、COVID-19の影響により共同研究者との連携に難渋したため、移植細胞はCTにて経時的に評価し、原発巣・転移巣の腫瘍サイズをモニタリングした。しかし、転移巣が形成される前に免疫不全マウスが死亡してしまい、転移モデルの樹立に難渋する結果となった。
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