2021 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性老化を介した糖尿病と歯周病の関連メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K23121
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
原 美音 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (60880804)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 老化 / 歯周病 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,老化細胞が分泌するSenescence-Associated Secretory Phenotype(SASP)因子による炎症が,慢性炎症を基盤病態とした加齢関連疾患である歯周病と糖尿病に及ぼす作用機序を解明すること,老化細胞除去薬を使用した老化細胞除去療法により,歯周病と糖尿病の病態の改善が可能かを検討することを目的としている. 令和2年度において,老化が歯周病と糖尿病に及ぼす影響および作用機序を検討した. 6週齢のC57BL/6マウスに対し,上顎第2臼歯に6-0絹糸を結紮して実験的歯周炎を誘発させた歯周病発症群,streptozotocin(STZ,100 mg/kg)・nicotinamide(NA,240mg/kg)を腹腔内投与して実験的糖尿病を誘発させたSTZ誘導性糖尿病発症群,コントロール群を作製した. 糖尿病の進行程度の検討のため,随時血糖値および絶食後16時間経過時における空腹時血糖値の測定を行った.糖尿病発症群において空腹時および随時血糖値が増加する傾向がみられたが,各サンプル間のばらつきが大きく,またSTZ投与後の血糖値の経時的な推移もばらつきがみられ,高血糖状態が安定しなかった. 令和3年度は,STZ誘導性糖尿病発症群の各サンプル間での血糖値のばらつきの改善・高血糖状態の維持のため,血糖値が180(mg/dl)未満に低下した個体において,STZ(100mg/kg)・NA(240mg/kg)の再投与を行った.再投与後の血糖値も経時的に低下する傾向にあったが,血糖値180(mg/dl)以上の個体において,糖尿病を発症していると定義し,STZ誘導性糖尿病発症群とした.また,上記の歯周病発症群,STZ誘導性糖尿病発症群において,56週齢時にDasatinib(5mg/kg)とQuercetin(50mg/kg)を投与し,老化抑制マウスを作製した.
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