2020 Fiscal Year Research-status Report
介護者支援機器の使用習熟による被介護者の快適性とケア時間の変化
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20K23134
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大村 優華 大阪大学, 国際医工情報センター, 特任助教(常勤) (40882444)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 介護者支援 / 体位変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護や介護ケアには看護師や介護スタッフ(以下、介護者)に身体的負担を強いるものが多い。負担軽減を目的として、さまざまな介護者支援機器が導入されているが、適正使用が進まずそれらの効果が発揮されていない。そこで我々は、ケア時間と被介護者の快適性に着目して、介護者支援機器の使用促進をめざしている。多忙な臨床現場において時間的要素は非常に重要である。また、多くの介護者支援機器の場合、ユーザは介護者のみならず、そのケアを受ける被介護者でもある。 本研究はヒトを対象とした実験研究として計画しており、研究のはじめのステップとして、実験機器の購入、実験場所の確保等の実験環境の整備、倫理審査、プレテストが必要となる。初年度である2020年度は新型コロナウィルス感染症拡大により、医療逼迫、高齢者施設でのクラスター発生など、医療介護従事者と高齢者を研究対象者とする本研究の具体的な実施計画を立てることが非常に困難な状況が続いた。そのため、まずは実験環境の整備として実験機器の選定や測定方法の検討、そして研究者のみでケアを再現する実験を複数回実施し、サンプルデータの収集と解析方法の検討を行った。さらに、過去に実施した実験データの再分析を行い、サンプル数の見直しや実験手順の簡素化等、感染症蔓延期であっても実施できる方策を探った。また、国内外の文献から介護者支援機器や被介護者の快適性に関する知見を幅広く収集し知識獲得に努めた。 今後も、感染症拡大により流動的な社会情勢がしばらく続くことが予測され、感染症対策への臨機応変な対応が求められる。研究手法や対象者選定などの見直しも含めて、実現可能性のある研究計画に修正し、倫理審査を受けたのち研究を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大により、当初の計画で研究対象者としていた医療介護従事者と高齢者のリクルートの目処が立たなくなったことや、感染症拡大のレベルや時期の想定が難しく、研究実施時期等の具体的な研究計画の立案が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビューや、実験方法の説明など、当初対面で予定していた計画の一部をオンラインと併用し感染症対策を強化することや、対象者数やリクルート方法の再検討により、研究を実施できる条件を整えていく。また、質問紙調査の追加等、当初の研究計画からの変更部分を補完できるような方策も検討する。
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Causes of Carryover |
本年度は研究実施まで至らなかったため、人件費、謝金等が発生しなかった。また新型コロナウィルス感染症拡大の影響により遠方への移動が制限されたため、旅費も発生しなかった。これらの理由により、次年度使用額が生じた。 次年度の使用にあたっては、計画実施に関連する部分については次年度の実施時に予定通り使用する。計画変更により余剰となった場合は、新たに実施予定のオンライン併用により必要となる機材の購入や、感染対策物品の購入に使用する。
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