2021 Fiscal Year Research-status Report
母体血中脂肪酸は子の血圧と関連するか:出生コホートによるDOHaD仮説の検証
Project/Area Number |
20K23137
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
金子 佳世 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 特任講師 (30771547)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
Keywords | 小児血圧 / 出生コホート / 血中脂肪酸 / DOHaD仮説 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、愛知県の出生コホート調査に参加する母子を対象とし、妊娠期血中脂肪酸24分画構成比率と学童期(7-8歳)の子どもの血圧との関連性を検討する。 2021年度は、凍結保存していた妊娠期の血液204名分の脂肪酸24分画構成比率及び各血中濃度を業者委託にて測定した。また、学童期(7-8歳)対面調査へ協力の得られた子ども786名の血圧を測定した。2020年度に引き続く、新型コロナウイルス感染症への配慮・対策のために、参加者との連絡等に多大な時間を要したこともあり、データの結合や解析作業は、当初予定よりも若干遅れている。イレギュラーな事態が生じやすく、研究遂行が難しい状況が続いているが、2022年3月末時点で、2020年度と2021年度の測定データの入力を完了し、分布や記述統計の仮解析を行った。 収縮期血圧(mmHg)の平均値±標準偏差は、男児104.50±9.78、女児103.45±9.16、拡張期血圧は、男児59.63±7.99、女児60.38±7.38、脈拍(回/分)の平均値±標準偏差は、男児82.91±11.99、女児81.58±11.49であった。 妊娠中期血中脂肪酸24成分の測定結果では、パルミチン酸において成人の基準値(495.1~918.3μg/ml)を大きく上回る値(平均値±標準偏差)1065.05±247.57が観察された。 また、妊娠中の喫煙ありの場合、喫煙なしと比較して、有意に母体の血中DHA濃度が低下する傾向が認められた。今後、母体の血中脂肪酸24分画構成比率(あるいは濃度)と、学童期血圧との関連性について詳細な検討を行い論文化を進める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していたとおり、凍結保存していた母親の妊娠期の血液検体を用いた、妊娠期血中脂肪酸24分画構成比率と濃度の測定や、子どもの血圧測定は完了している。一方、2022年3月末にデータ入力と仮解析作業を終えたところで、今後論文化を行うため「やや遅れている」とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
データベースを結合し、最終的なクリーニングをおこなうとともに、除外基準、共変量について再考し、母体の血中脂肪酸24分画構成比率(あるいは濃度)と学童期(7-8歳)の子どもの血圧との関連を検証し、論文化を進める。
|
Causes of Carryover |
新型コロナ感染症流行に伴い、対面調査の実施に際し、参加者との連絡調整等に予期せぬ時間を費やし、データ結合や解析手続きに遅延が生じたことが主な理由である。 また、関連課題として若手研究費により動脈硬化指標の取得も試みていることから、それらの結果と併せ、研究意義の高い論文作成を目指したい。残額の支出は、英文校閲やAPCに充当する計画である。
|
Research Products
(4 results)