2023 Fiscal Year Annual Research Report
重症患者における高炎症状態遷延と退室後の身体機能障害に関する研究
Project/Area Number |
20K23140
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
大内 玲 茨城キリスト教大学, 看護学部, 准教授 (90880493)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | 集中治療後症候群 / 慢性疼痛 / 感覚障害 / 集中治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、慢性疼痛および感覚障害の有病率を調査するため2施設の集中治療室(ICU)で郵送調査を実施した。対象は、24時間以上の人工呼吸管理を必要とし、現在、自宅で生活している患者とした。ICU退室後6ヶ月時点の評価とし、痛み、感覚障害、QOLを調査した。その結果、70人に郵送調査票を送付し、51人(72.9%)から回答を得た。年齢の中央値は65 [IQR 55-72]才、70.6%が男性、入室時のClinical Frailty Scoreの中央値は3[2-3]、APACHE IIの中央値は15[11-19]であった。慢性疼痛の有病率は0.27[95%CI 0.15-0.41]であり、感覚障害の有病率はそれぞれ、味覚障害0.17[0.05-0.30]、嗅覚障害0.12[0.04-0.25]、聴覚障害0.27[0.16-0.42]、視覚障害0.23[0.13-0.37]であった。何らかの身体機能障害が認められた患者は58%であった。また、今回調査された対象のICU退室後6ヶ月のQOL VASスコアの中央値は80[IQR 70-90]であった。一方で、これらの身体機能障害はICU入室以降に生じたものであるという自己申告に基づいており、ICU入室に由来するものであるか、さらなる検証が必要である。また、リスク因子の調査も予定していたが、コロナ禍の調査であり入院患者の制限などの影響から十分なサンプル数を得ることができなかった。重症疾患後の身体機能障害について継続的な調査が必要である。 これらの内容は関連学会にて報告した。また、事前調査の結果については学術誌に掲載されている。
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