2021 Fiscal Year Research-status Report
The effect of fomentation on the prevention of atherosclerotic cardiovascular disease
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20K23147
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
長井 雅代 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (60623551)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 動脈硬化予防 / 温熱刺激 / 温罨法 / 動脈硬化性心血管病 / 生活習慣病予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生活習慣の是正と温罨法による生体への温熱刺激が動脈硬化性心血管病 (atherosclerotic cardiovascular disease: ASCVD)の予防にもたらす効果を検証することである。熱刺激効果を活用する場合に、ASCVD予防を目的とした先行研究や温罨法を用いたASCVD予防に関する報告は見当たらず、また温罨法器具は様々ありその用いられ方も統一されたものはないことから、2020年度は、看護で温罨法に多く使用されている器具のうち、身体に直接貼用するタイプの器具(温熱シート・ホットパック・温タオル・小豆袋)を用いて、それぞれが身体の組織に与える影響を血中HSPs(heat shock proteins)の変動の視点から検証した。
2020年度から2021年度にかけて、本学の研究倫理委員会の承認を受け、被験者10名に対して器具別の温熱負荷実験を実施した。被験者は掲示ポスターによって応募があった20代の男女であり、温熱負荷前後の採血・皮膚温度の測定・腋窩温の測定を実施した。温熱負荷条件や器具の準備に関しては、事前のプレ実験により詳細な条件を決定をした。HSP70濃度は、採取した血清を用いて、本学実験室内でのELISA測定(Enzyme-Linked Immune Sorbent Assay法)により測定した。 その結果として、各温罨法器具による温罨法は血中HSP70 を有意に変化させないことが確認された。また、罨法部位のみならず非罨法部位においても、皮膚温の有意な上昇が確認され、自律神経系を介した生体への影響が示唆された。これらの結果から、本研究で使用した温罨法器具は、生体に熱ストレスを生じさせるほどの強い温熱刺激を与えず安全性に有利であることが明らかとなった。一方で、副交感神経系に効果を与え生体に作用する効果についても再確認された。 現在は上記研究結果をもとに、温熱刺激効果と動脈硬化度との関連を検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度中に本研究の実施を概ね終えた。成果発表については、2022年度中に予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、研究成果をまとめ発表することとする。
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Causes of Carryover |
論文発表と学会発表を2021年度に完了することができなかったため、成果発表に係る費用が2022年度に発生した。
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Research Products
(4 results)