2020 Fiscal Year Research-status Report
新型コロナウイルス感染症拡大が介護保険下のリハビリテーションの提供に与えた影響
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20K23150
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
松垣 竜太郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (40878344)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は介護保険下でのリハビリテーション(リハビリ)を提供する事業所に対するアンケート調査と、介護保険下でのリハビリ提供料の減少についての分析を予定していたが、新型コロナウイルス感染症は拡大と縮小を繰り返す状況にあり、より長期的な調査・分析を行うためにも研究開始を遅延させてる。 令和2年度はアンケート調査の予備的な調査として通所リハビリ事業所に対するヒアリングを実施した。ヒアリングにより、新型コロナウイルス感染症拡大下で、通所リハビリの新規利用者数が前年と比較して減少していることが明らかになった。また、新型コロナウイルス感染症拡大により送迎等の外部委託先が一時的に撤退する状況などが生じ、スタッフの業務負担が増加していたことも明らかかとなった。さらに、ヒアリング対象の事業所では利用者の感染により臨時休業が生じており、その際現場で行われた対応も把握することができた。これらヒアリングで得られた情報も踏まえ、アンケート調査で用いる質問紙に含める質問項目の整理した。加えて、ヒアリング対象事業所のスタッフに仮作成中のアンケートにも試験的に回答してもらい有益な質問紙を作成することが可能になったと考える。 アンケート対象事業のリストアップも完了しており、令和3年度は同質問紙を用いてアンケート調査を実施する。また、レセプト分析も令和3年度に実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染者数は増減を繰り返している。そのような状況であることから、アンケート調査およびレセプト分析の開始時期を可能な限り遅らせて実施することで計時的な変化を捉えることが可能となると考えて研究の実施を遅らせている。
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Strategy for Future Research Activity |
レセプト分析(要介護度別・傷病別のリハビリ提供量の減少についての検討)についてはまもなく着手する予定である。 アンケート調査に向けたリハビリ職種に対するヒアリング等は実施しており、ヒアリングに基づき作成した質問紙を用いたアンケート調査を6月に実施すべく研究計画を倫理委員会へ申請中である。アンケート対象事業所のリストアップも完了している。なお、アンケート調査は一自治体の2500事業所を対象にする予定であったが、その中にはリハビリの提供とは関係しない事業所も含まれていたため、本調査ではリハビリを提供している通所リハビリ事業所・通所介護事業所・訪問リハビリ事業所、約800事業所へと対象を変更する予定である。 最終的に、上記分析をもとに当初の予定通り新興感染症拡大時においても介護保険下でのリハビリ利用者に対して途切れなくリハビリを提供するための方策を検討する。
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Causes of Carryover |
令和2年度はアンケート調査を実施する予定であったが、今年度はアンケート調査を実施できておらずその費用が未使用である。未使用分の費用を用いて令和3年度にアンケート調査を実施する予定にしている。
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