2020 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部がんの治療選択における支援ツールの開発-がんサバイバーのQOL調査を通して
Project/Area Number |
20K23154
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
寺田 星乃 愛知県がんセンター(研究所), がん予防研究分野, 研究員 (60886498)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
Keywords | 頭頚部癌 / 下咽頭癌 / QOL / PRO / アンケート |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療の発展に伴い生存率が向上したことで、生活の質(Quality of life : QOL)などの患者を主体とした評価(Patient reported outcome : PRO)が着目されている。進行期下咽頭がんの根治治療は咽喉頭摘出術(Total Pharyngo-Laryngectomy:TPL)、または化学放射線治療(Chemoradiotherapy:CRT)であるが、いずれも治療後は「話す・食べる」機能に大きな影響を与える。特にTPLは根治性が高い一方、喉頭を摘出し失声となるため、治療選択に不安を感じる患者も多い。しかし、これまで治療法ごとのQOL評価の報告は少なく、患者が治療法決定を行う際にQOLに関して有用な情報提供ができない場をしばしば経験した。こうした背景から、進行期下咽頭がんの治療後のPROを評価する本研究を計画した。本研究の目的は、CRTとTPLの治療後のQOLと社会復帰を比較することで、治療法選択に際して有益な情報を提供し、治療法決定の支援ツールとすることである。 本研究は、愛知県がんセンター頭頚部外科にて、2016年1月~2019年12月にTPLまたはCRTを行った75歳以下のステージⅢ/Ⅳ下咽頭がん患者各50例を対象とする。外来にてアンケート調査を実施、治療後2年を経過した患者のQOL、治療前・治療後2年目での職場復帰を調査する。QOLの評価にはEORTC(European Organization for Research and Treatment of Cancer) QLQ-C30 (患者の生活に関連した身体・精神的苦痛を評価するQOL評価表)と EORTC QLQ-H&N35(頭頚部領域に特化した身体・精神的苦痛を評価するQOL評価表。味覚、会話機能、嚥下機能等が含まれる)を使用する。成果は学会・論文で発表する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・本研究はインタビュワーによるアンケート調査を実施予定であるが、インタビュワーの選定に時間を要している。
|
Strategy for Future Research Activity |
インタビュワーの選定に関して、研究協力者である愛知県がんセンター研究所 がん予防研究分野と協議のうえ、進めていく。がん予防研究分野はこれまでがんサバイバー研究に関して力を入れており、アンケート調査も実施の経験がある。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は研究実施に伴う人件費、物品費、旅費によるものです。
|