2021 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部がんの治療選択における支援ツールの開発-がんサバイバーのQOL調査を通して
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20K23154
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
寺田 星乃 愛知県がんセンター(研究所), がん予防研究分野, 研究員 (60886498)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / QOL / 下咽頭癌 / CRT / TPL / がんサバイバー |
Outline of Annual Research Achievements |
愛知県がんセンターでステージⅢ/Ⅳの進行期下咽頭がんにおいて咽喉頭摘出術(以下)TPLを行った群と化学放射線療法(以下CRT)を行った群でQuality of life(以下QOL)と社会復帰について比較する研究を計画した。それに先立ち予備研究を行った。予備研究の目的はTPLとCRTでのEORTC QLQ-C30のGlobal health statusの平均値と標準偏差を算出することである。対象患者10例より同意書を取得し、9例から返信を得た。回収率は90%であった。アンケート解析はTPL群5例、CRT群4例にて行った。平均年齢はTPL群で68.6歳、CRT群で63.5歳であった。全症例中TPL群の1症例のみが肺転移をきたしていた。CRT群で1例は治療後の頸部リンパ節残存に対して頸部郭清が行われていた。EORTC QLQ-C30のGlobal health statusの平均値と標準偏差(SD)はTPL群で53.3(SD35.6)、CRT群で81.3(SD4.2)であった機能スケールでは【認識する活動性】をのぞき、いずれの項目でもCRT群の得点が高かったが、有意差は認めなかった。また、症状スケールではすべての項目においてCRT群が低い結果であったが、有意差は認めなかった。 今回の予備研究の結果を用いてαエラーを0.05、検出力を0.8、サンプルサイズの比をTPL:CRT=2:1として必要サンプル数を計算するとTPL40例、CRT20例と算出できた。脱落率を10%として本試験で必要な症例数をTPL44例、CRT22例とした。 本試験では、EORTC QLQ-C30、EORTC QLQ-H&N35、World Health Organization Disability Assessment Schedule 2.0を用いて検討を行う計画をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究精度を上げる目的で、予備研究を先行して行ったため、当初の計画よりも遅れている。また、計画段階ではアンケートの集計はインタビュワーによるインタビュー形式で行う予定であった。しかし、COVID-19感染拡大に伴い、院内での対面面談、プライバシーが確保できる換気スペースの確保ができず、インタビュワーによる面談が困難となった。 そのため、計画の変更を余儀なくされた。実際の研究では郵送形式でのアンケート回収となったが、その方法を確立するまでに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
予備研究によりアンケート回収方法が適切であることを確認した。また、必要サンプル数を算出できた。この結果を用いて本試験では、EORTC QLQ-C30、EORTC QLQ-H&N35、World Health Organization Disability Assessment Schedule 2.0を用いて検討を行う計画をしている。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れ、またCOVID-19感染拡大に伴い、学会活動の制限等あり、余剰金が生じた。計画の進行に伴う、アンケート回収のための郵送費や必要物品の購入費、関連学会の出張・参加費に使用する計画がある。
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