2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K23167
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
手嶋 昭子 文京学院大学, 保健医療技術学部, 助教 (80827402)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 費用効果分析 / 母子健康手帳 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アンゴラ共和国ベンゲラ州において、①母子健康手帳の母子保健の維持・向上に係る費用対効果を明らかにすることである。更に、アンゴラでは、既に妊婦用の「妊産婦手帳」と乳幼児用の「子ども健康カード」が利用されているため、②母子健康手帳は、既存のカードよりも費用対効果が優れているのかを明らかにする。研究計画では、①費用測定、②モデリング、③効果の見積もり、④分析、⑤成果の発表を予定している。しかし、新型コロナウイルス感染症流行の影響で、費用測定(フィールド調査)が大幅に遅れたため、全体的な研究計画に遅れが生じている。令和3年度は、費用測定結果と効果の見積もり結果(他研究により実施)を分析し、費用効果を検証した。結果を、研究成果レポートにまとめた。 本研究では、フィールドデータを用いて費用分析を実施することで、現状に即した結果を導き、アンゴラ政府に対しより説得力のあるエビデンスを創出することをめざしている。フィールド調査では、アンゴラ共和国の現地データコレクターにより、妊産婦や母親、子どもの保護者、病院や保健省関係者からの聞き取り調査を実施した。母子健康手帳に関連した母子保健サービスを提供する上で必要なコストを算出するために、各サービスを提供する医療従事者の職種やサービス提供時間について聞き取りを実施した。さらに、行政機関や国際援助団体の既存資料に基づくデータの収集を実施した。 モデリングでは、決定樹を作成し、母子保健にかかる疾病罹患の有無や検査治療の選択など、シナリオをモデリングした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症流行に伴い、現地調査(効果に係る別研究と費用測定)の中断が生たため、全体的な進捗に遅れが生じている。令和2年度中に費用測定データの取集を完了し、令和3年度初旬に効果のデータも到着したため、遅れて分析を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
効果測定(別研究)より期待していた効果が得られなかったため、既存文献を用いて費用効果分析を実施する。令和4年度に分析を終了する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行により、当初予定していたフィールド調査への参加がかなわなかったため、旅費の支出が0円となった。加えて、全体的な研究計画の進捗としても、新型コロナウイルスの影響で遅れているため、その分の残金が発生している状況である。 加えて、効果測定(別研究)において期待された効果が得られなかったため、既存文献より効果量を測定し、費用効果分析を実施する。令和4年度は既存文献からの効果量の見積もりに係るデータ整理等の人件費としての支出と、成果発表のための支出を計画している。
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