2021 Fiscal Year Research-status Report
剖検検体からのアクロレイン定量による脳虚血の診断と浴槽内死亡の原因究明
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20K23170
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松本 紗里 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20754881)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | アクロレイン / 浴槽内死亡例 / 死後検体 / 脳虚血 / 生化学マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
2012年4月1日~2019年11月30日までに法医解剖が行われ、血清、尿、心嚢液などの液体検体が凍結保存されている症例200例を対象とし、アクロレインはAcrolein-Lysine Adduct Competitive EIA Kit(タカラバイオ株式会社)を用い、ELISAにて測定した。Acrolein-Lysine Adduct Competitive EIA kitは生前患者を対象としているため、死後検体における測定条件を決定する必要があり、剖検検体におけるアクロレイン測定条件の検討を行った。 剖検検体の測定条件を決定するため、各検体を10、20、50、100倍希釈し、ELISA測定を行った。線形近似でR2=0.9882、5-parameter法でR2=0.9991の近似曲線が得られ、各検体の濃度はいずれも50-200nmol/ml内に含まれ、100倍希釈すると直線性に乏しい結果となった。Acrolein-Lysine Adduct Competitive EIA Kitの信頼区間は3.13-100nmol/mlであり、各検体は10倍希釈し測定を行うことと決定した。対象検体では、二重測定を行っており、CVは10%以上の検体は再測定とした。 現在、アクロレイン値の測定を進めており、濃度が極端に低いものもあったため、検体は10倍希釈または5倍希釈として測定している。血清検体に比べ、尿検体は濃度が薄い傾向にあり、心嚢液検体は未着手である。今後は更にアクロレイン値の測定を行い、アクロレイン値と死後経過時間や諸臓器の重死因死因などの各パラメーターに対し、統計解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行により、大学の方針として不要不急の研究を一時中断するよう推奨があったこと、自宅勤務を推奨された期間があったことから、研究の進行度は当初の計画よりやや遅れています。
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Strategy for Future Research Activity |
測定に遅れはあるものの、検体数は確保できているため、当初の予定通りの検体数の測定を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により、測定の進行が遅れたため、購入予定であった消耗品を今年度は消費しなかった。また、測定完了が遅れたため、統計分析や論文投稿も遅れてしまった。測定予定の検体はすでに確保しており、総測定数は変更しないため、今後測定時に使用するkitや他の消耗品、論文作成・投稿費を中心に使用予定である。
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