2020 Fiscal Year Research-status Report
Usefulness of novel breath acetone measurement for diabetes treatment: utilization to maintain an appropriate weight and blood glucose control
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20K23173
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
中川 朋子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60877661)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 呼気アセトン / 2型糖尿病 / 肥満症 / 教育入院 / 治療モチベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病治療では薬物治療だけでなく、食事運動療法による適正な体重の維持が重要である。しかし一般に減量中は体脂肪の燃焼を実感することが難しく、継続に難渋することが多い。アセトンは脂肪酸の燃焼で生じるケトン体で呼気中に排出される。呼気アセトン濃度は脂肪燃焼の指標となり得る。Fat-burning Monitor(以下、FM-001)は呼気中のアセトン濃度を測定するため、簡便かつ非侵襲的であり、その結果を、体脂肪燃焼の目安に反映する機能を有している。減量中に呼気アセトン濃度を定量化することで患者自身が食事運動療法の効果を実感することが可能となり、治療意欲が維持され、糖尿病の日常診療において役立つことが期待される。 本研究の目的は、減量を要する糖尿病教育入院患者を対象に、呼気アセトン濃度測定が入院中、及び退院後外来通院時良好な体重・血糖コントロールの維持に有用であることを明らかにすることである。 令和2年度は先行研究である糖尿病患者における血中ケトン体とFM-001で測定した呼気アセトン濃度の関係を評価する研究のエントリーを継続した。当初の令和2年度の研究計画では、研究代表者らの施設で糖尿病教育入院を行った肥満合併2型糖尿病患者を対象に、入院中連日、FM-001で測定した呼気アセトン濃度とマルチ周波数生体電気インピーダンス法で評価した体重および体脂肪量の連続評価で減量中の推移を検討することであった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、FM-001使用時に新型コロナウイルス感染症の感染リスクのないように、研究代表者らの施設でのFM-001の運用指針を変更したため、呼気アセトン測定が実施できる機会が減少した。今後研究代表者らの施設で使用できるFM-001の台数の増加、個人で使用する小型呼気アセトンチェッカーを併用し、研究を継続していく方針としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は、先行研究である研究代表者らの施設での糖尿病教育入院患者を対象に、血中ケトン体とFM-001を用いた呼気中アセトン濃度との関係についての検討する研究を継続した。研究期間は2022年3月31日までであり、これまで32例がエントリーし、目標症例数は50例である。令和2年度の当初の研究計画では、研究代表者らの施設で教育入院を行った肥満合併2型糖尿病患者を対象に、入院中連日、Fat-burning Monitor(以下、FM-001)で測定した呼気アセトン濃度とマルチ周波数生体電気インピーダンス法で評価した体重および体脂肪量の推移について検討することを予定していた。目標症例数は探索的に20例としていた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大があり、呼気ケトンを測定するFM-001の運用を変更したため、先行研究での呼気アセトン測定を優先して実施し、呼気ケトン濃度・体組成の連続評価で減量中の推移を検討するまでに至らなかった。なぜならば、研究代表者らの施設に1台しかないFM-001を複数の患者で使用するにあたり、本体の内部消毒の実施を検討したが、FM-001に使用している半導体センサは有機ガスに反応するため、アルコールでの消毒は施行できなかった。COVID-19ウイルスの物質表面でのウイルス力価を評価した複数の研究より、COVID-19感染症を疑う症状がある患者を除外し、入院時新型コロナウイルス感染症のPCR検査陰性を確認し、前回FM-001の使用から1週間間隔をあければ検査施行に問題がないことを研究代表者らの施設の感染制御部と協議し、FM-001を使用する方針とした。 今後FM-001の台数を増やすことや、FM-001は使用せず個人で使用する呼気アセトン測定と血中ケトン体分画の評価を行っていくことを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大があり、Fat-burning Monitor(以下、FM-001)の使用に関して制限があるため、研究代表者らの施設で使用できるFM-001の台数を増やすことをまず検討する。令和2年度の研究計画である呼気ケトン濃度・体組成の連続評価で減量中の推移の検討では、糖尿病教育入院の入院は10日間、食事は通常診療通り28 kcal/理想体重(kg)の食事を提供し、毎日朝食前・排尿後に呼気アセトン濃度および体組成(特に体脂肪量)を測定することを検討していたが、FM-001による呼気アセトン濃度の測定は初日と最終日のみとし、それ以外では個人用の小型呼気アセトンチェッカーを使用する方法への変更を検討する。また、食行動質問票(以下、BDHQ)、糖尿病QOL質問票(以下、DTR-QOL)、行動変容ステージを評価する。体重、体脂肪量、呼気アセトン濃度の推移を観察し、①糖尿病治療薬の種類による相違の比較、②呼気アセトン濃度、すなわち脂肪燃焼を示唆する補助的指標が減量効果に与える心理的な影響についても検討する。 さらに、令和3年度以降の研究計画では呼気アセトン濃度測定の継続が良好な体重・血糖コントロールに寄与することを検討していた。糖尿病教育入院の患者を対象に、退院後外来通院中の指導への活用を評価する。入院中は全例毎日朝食前・排尿後に呼気アセトン濃度および体組成を測定し、退院後4週、12週、24週、36週、52週後外来受診時に呼気アセトン測定を継続する介入群と、使用しない通常指導群の2群にわける予定であったが、外来受診毎にFM-001使用前にCOVID-19のPCR検査の施行が困難であるため、退院時個人の小型呼気アセトンチェッカー測定を継続する群と使用しない通常群の2群に割り付けることに変更を検討し、その2群において、体重および体脂肪量の推移について検討する。
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Causes of Carryover |
呼気アセトン測定を行うFat-burning Monitor(以下、FM-001)使用時に新型コロナウイルス感染症の感染リスクのないように、申請者らの施設でのFM-001の運用指針を変更したため、呼気アセトン測定が実施できる機会が減少し、それにより研究の進捗状況に遅れが生じた。また、すべての学会がWEBでの開催となったため国内・国外の学会出張がなかった。研究計画の変更により、個人で使用する小型呼気アセトンチェッカーを研究に参加する患者毎に購入することを検討しており、これらの購入に研究費を使用する予定である。
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