2021 Fiscal Year Annual Research Report
ガーゼタイプマスクと再利用された不織布タイプマスクにおける飛沫粒子の捕集効果
Project/Area Number |
20K23182
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
岡山 加奈 関西福祉大学, 看護学部, 准教授 (20549117)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | フェイスマスク / 微粒子防御率 / 再利用 / 飛沫感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、感染予防効果が劣ると考えられていたガーゼタイプマスクと再利用された不織布タイプマスクにおける飛沫粒子の捕集効果を明らかにすることを目的としている。本研究において材料とした不織布タイプマスクは、マスク本体・フィルターの素材がポリプロピレン不織布、サイズは約145 mm×約95 mmであった。ガーゼタイプマスクは、マスク本体の素材が綿100%の12層構造、サイズは約135 mm×約95 mmであった。各マスクは10枚ずつ実験に供した。各マスクは、研究参加者が1日1回着用した後、洗濯ネットに入れ、洗濯機にて洗浄し室内で乾燥させた。洗濯は各マスク30回実施した。研究参加者が洗濯前、5、10、15、20、25、30回洗濯後にフェイスマスクを装着し、労研式マスクフィッティングテスターMT-05U型にて、フェイスマスク内外の微粒子個数と漏れ率を測定し、フェイスマスクの性能は漏れ率として出た結果を微粒子防御率として算出して評価した。洗濯回数における微粒子防御率の比較と2種類の新品フェイスマスクの微粒子防御率の比較には、データに合わせた統計解析を行い評価した。 微粒子防御率は、洗濯回数が増加しても不織布タイプマスクとガーゼタイプマスクともに有意差はなく、性能が保たれることが明らかとなった。これまで不織布タイプマスクの使用方法は、ディスポーザブルという見解が一般的であり、ガーゼタイプマスクにおいても再利用した際の微粒子防御率を報告したものはほとんど見当たらない。しかしながら、パンデミック時における危機管理対応として、フェイスマスクの再利用が提案されている。本研究結果より、2種類のフェイスマスクはいずれも微粒子防御効果があり、洗濯30回までの再利用が可能であるものの、不織布タイプマスクが感染対策上有効であると示唆された。
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