2021 Fiscal Year Annual Research Report
Lifestyle factors related to pancreatic fat accumulation
Project/Area Number |
20K23193
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬殿 恵 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (90885104)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 生活習慣 / 膵異所性脂肪蓄積 / 食習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インスリン分泌能低下と関連する膵異所性脂肪蓄積に着目し、膵臓の異所性脂肪蓄積と関連する生活習慣因子を同定することを目的に行った。2020年度より大阪大学医学部附属病院の入院中に腹部CTを撮影した2型糖尿病患者の抽出を開始し、データの収集を開始した。膵疾患や生活習慣に影響を与える疾患(慢性腎不全や神経疾患等)は除外し、185例のデータを得た。生活習慣(食事、運動、飲酒、喫煙、睡眠)のデータは入院時の問診、診療録、栄養指導記録より抽出を行った。膵臓・肝臓の異所性脂肪量は、既報に基づきCT値を用いて脾臓をコントロールとした定量評価を行った。2021年度には、さらに腹部CTを用いた内臓脂肪面積の測定を行った。これらのデータを解析することで、下記2点の興味深い結果を得た。①肥満とは独立して、膵臓の異所性脂肪蓄積と有意に関連する食習慣を見出した。②肝臓の異所性脂肪蓄積および内臓脂肪蓄積は①の食習慣とは関連を認めず、一方で肥満や肥満関連因子と有意に関連した。
これらの結果より、膵臓の異所性脂肪蓄積は他臓器の脂肪蓄積とは異なる独立したメカニズムによる可能性が考えられる。膵臓の異所性脂肪蓄積と関連する生活習慣についての報告は今までになく、本研究で見出した生活習慣因子について第64回日本糖尿病学会年次学術集会において発表し、現在論文投稿を進めている。
さらに本研究成果に基づき、食習慣を含めた生活習慣についてFFQも加えたより詳細な情報を集める前向き研究を開始すると共に、実際の糖尿病患者を対象に食事を中心とした生活習慣改善アプローチによる介入研究を開始した。今後引き続き、生活習慣の改善により膵臓の異所性脂肪量を減少させることを糖尿病治療アプローチの一つに位置づけることを目標に、糖尿病治療の実用化に向けた研究を進めていく。
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Research Products
(1 results)