2021 Fiscal Year Research-status Report
重症心身障害児を養育する家族への長期継続支援プログラムの開発
Project/Area Number |
20K23199
|
Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
市川 睦 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (50880853)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
Keywords | 重症心身障害児 / 家族 / 施設入所 / 意思決定プロセス / 限界 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の新生児医療や小児救急医療の進歩の一方で、重度の障害を残して在宅生活を送っている子どもの数は増加している。かつて生きていくことさえ難しい状況であった重症心身障害児(以下、重症児とする)が、今では在宅で生活することができるようになってきた。在宅で生活する重症児の家族にとって、自分の子どもと共に生活できることへのうれしさがある反面、家族にかかる負担や困難は大きい。重症児の成長に伴い、移動や入浴介助等に困難が生じてくる。また、二次障害により、医療的ケアが増加することもある。介護する側の親が、自身の加齢に伴う体調不良や祖父母の介護等が重なることがあり、在宅生活継続が難しくなるケースも散見されている。そのような重症児と家族に対し、看護師はどのような思いを抱いているのか、どのような支援を行うことが必要かを検討し、重症児を養育する家族への長期継続支援プログラムの開発へ向けての一助とする。 看護師は、成長した重症児本人の体調や家族の様子、本人と家族を取り巻く環境について観察し、支援を行っているが、看護師だけでは支援の限界を感じていた。また、医療者と患者家族の捉え方の違いについても理解していた。そのために、出来るだけ早期から子どもと家族の少し先を見越した対応や、安心して信頼できる存在となるようなかかわりを行う事、看護の調整力を活用し、多職種で連携し、継続的なかかわりを推進していくことが必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
所属施設の倫理審査承認は順調であったが、研究協力施設のリクルートがCOVID19の影響により進まず、現在インタビューが行えたのが1件である。在宅継続の限界を迎えた患者家族の思いの理解は、その後の支援を実践していくために重要な指針となるため、継続してデータ収集を行っていく。 重症児と家族に対し、看護師はどのような思いを抱いているのか、どのような支援を行うことが必要かを検討し、重症児を養育する家族への長期継続支援プログラムの開発へ向けての一助とすべく、県内の小児看護に携わる看護師等の医療スタッフ20名前後での検討会を実施した。その結果、看護師は成長した重症児本人の体調や家族の様子、本人と家族を取り巻く環境について観察し、支援を行っているが、看護師だけでは支援の限界を感じていた。また、医療者と患者家族の捉え方の違いについても理解していた。そのために、出来るだけ早期からの対応や安心して信頼できる存在となるようなかかわりを行う事、看護の調整力を活用し、多職種で連携し、継続的なかかわりを推進していくことが必要である、という知見を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究協力施設のリクルートがCOVID19の影響により進んでおらず、研究協力者募集、データ収集が進んでいない状況である。患者の会などのネットワークから協力者のリクルート等も検討し、継続して研究協力者の募集を実施し、データ収集を実施していきたいと考える。
|
Causes of Carryover |
旅費は、研究協力施設への訪問時、インタビュー時の移動代として計上したが、訪問する機会が無かったため次年度繰り越して使用したいと考えている。報償費も、インタビュー実施後に協力者へのお礼としてクオカード2000円分を考え計上したが、一人しか実施できていないため次年度繰り越しを希望する。
|