2022 Fiscal Year Research-status Report
重症心身障害児を養育する家族への長期継続支援プログラムの開発
Project/Area Number |
20K23199
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
市川 睦 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (50880853)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | 重症心身障害児 / 家族 / 施設入所 / 意思決定プロセス / 限界 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の新生児医療や小児救急医療の進歩の一方で、重度の障害を残して在宅生活を送っている子どもの数は増加している。かつては生きていくことさえ難しい状況であった重症心身障害児(以下、重症児とする)が、今では在宅で生活することができるようになった。在宅で生活する重症児の家族にとって、自分の子どもと共に生活できることへの嬉しさがある反面、家族にかかる負担や困難は大きい。2021年には医療的ケア児支援法が施行され、全体の約8割に当たる38都道府県に医療的ケア児支援センターが開設されるなど、変化もみられてきているが、まだ環境整備が追い付いていないというのが現状である。重症児の成長に伴い、移動や入浴介助等に困難が生じてくる。また、二次障害により医療的ケアが増加することもある。介護する側の親が、自身の加齢に伴う体調不良や祖父母の介護等が重なることがあり、在宅生活継続が困難になるケースも散見されている。 インタビューを行った母親は40代、50代であり、子どもが10、20代であった。それぞれに入所を決めた理由があったが、高校入学後から主治医や学校教員から施設についての話を聞き、高校卒業後により現実的に考えている様子がうかがえた。自分自身や親の体調不良などが重なることが多く、その時に在宅生活継続困難を感じていた。 看護師は、成長した重症児本人の体調や家族の様子、本人と家族を取り巻く環境について観察し支援を行っているが、看護師だけでは支援の限界を感じていた。看護の調整力を活用し、多職種が連携し継続的なかかわりを推進していくことが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究協力施設のリクルートがCOVID-19の影響により進まず、インタビューの件数が4件となっている。今後も継続してデータ収集を行いながら、少ないデータではあるが分析も同時に進めていく。 重症児と家族に対し、看護師はどのような思いを抱いているのか、どのような支援を行うことが必要かを検討し、重症児を養育する家族への長期支援プログラム開発の一助とすべく、県内の小児看護に携わる看護師等の医療スタッフ20名前後で検討会を実施した。その結果、看護師は成長した重症児本人の体調や家族の様子、本人と家族を取り巻く環境について観察し支援を行っているが、看護師だけでは支援の限界を感じていた。また、医療者と患者家族の捉え方の違いについても理解していた。そのために、出来るだけ早期からの対応や安心して信頼できる存在となるようなかかわりを行う事、看護の調整力を活用し多職種で連携し、継続的なかかわりを推進していくことが必要である、という知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力施設のリクルートがCOVID-19の影響により進まず、インタビューの件数が4件となっている。今後も継続してデータ収集を行いながら、少ないデータではあるが分析も同時に進めていく。また、施設入所ではないが、気管切開など、重症児の親が医療的ケアを決断する際の気持ちについて伺う機会があったので、そちらのデータも含め意思決定プロセスについて考えていきたい。そして、今年度中に研究をまとめていく。
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Causes of Carryover |
旅費は研究協力施設への訪問時、インタビュー時の移動代として計上したが、訪問する場所が近隣のみであったため使用しなかった。報償費はインタビュー協力者へのお礼としてクオカード2000円分を考え計上した。できる限り多くのインタビューを実施していきたいと考えているため、今年度までの繰り越しを希望する。
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