2023 Fiscal Year Research-status Report
授乳期女性の骨密度減少量を予測するアルゴリズムの構築
Project/Area Number |
20K23218
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川尻 舞衣子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70815852)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨密度 / 妊娠 / 授乳 / 母乳育児 / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、妊娠期から授乳期にかけての女性の骨密度の変化を縦断的に調査し、その関連要因を特定することを目的としていた。計画段階では、参加者が直接来院して骨密度測定を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行により、参加者との直接接触が困難な状況であった。そのため、近年開発された胸部X線写真を使用した骨密度推定のAI医療機器に着目し、調査方法を変更した。これにより、感染リスクを避け、非侵襲的かつ迅速にデータ収集を行うことができた。 具体的には、調査対象病院で過去10年間に撮影された胸部X線写真を収集し、AI技術を用いて骨密度の推定を行った。さらに、同病院の周産期データベースから得られた妊娠・出産・産褥に関する詳細情報と組み合わせることで、妊娠期の骨粗鬆症有病率およびその関連要因の分析を行った。 分析の結果、妊娠前のBody Mass Index、ステロイド使用歴、自己免疫性疾患および心疾患の既往が骨密度に影響を与えており、これらの要因は既知のリスク要因と一致していた。また、妊娠中の体重増加が少ない女性で骨粗鬆症の有病率が高いことが確認された。これらの結果は、若年期の骨健康管理の重要性を強調しており、リスク要因を有する妊婦への積極的な栄養摂取や身体活動の推奨といった健康支援介入の必要性を示していた。現在は、複数回の妊娠のデータを解析し、母乳育児や妊娠間隔と骨密度の関連を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による影響、産前産後休業と育児休業による研究中断のため。
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Strategy for Future Research Activity |
複数回の妊娠のデータを解析し、母乳育児や妊娠間隔と骨密度の関連を検討する。2024年度に学会発表と論文投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
研究全体に遅れが生じており、2024年度に学会発表および論文投稿を行うため、その費用とする予定である。
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