2021 Fiscal Year Research-status Report
身体症状症に対する「遠隔認知行動療法プログラム」-開発と効果検証-
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20K23219
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 英輝 千葉大学, 医学部附属病院, 看護師 (90885534)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 身体症状症 / 精神看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体症状症とは、自覚症状に見合う医学的所見がないにもかかわらず、痛みや吐き気、しびれなど多くの身体症状が長期間続き、慢性的かつ過剰に身体症状にとらわれ、その苦痛により日常生活や社会生活に支障をきたす疾患であり、有効な治療法は確立されていない。 本研究は、身体症状で悩みを抱え、認知行動療法にアクセスが難しい地域に暮らす患者に対し、ビデオ会議システムを介した遠隔認知行動療法の実用性や有効性を検討することを目的としている。まず、身体症状に対するセルフケアプログラムをインターネット上で取り組めるように開発を行った。2年目となる令和3年度は、パイロット・シングルアーム試験の研究プロトコルを作成し、千葉大学医学部附属病院の臨床研究倫理審査委員会の承認を得た上で(承認番号G2021008)、登録および介入を開始した。本研究は、非対照試験であり、身体症状症の20歳以上60歳までの患者を対象とした。有効性・安全性評価のための主要評価項目に、SF-36(MOS Short-Form 36-Item HealthSurvey)を使用した。 加えて今年度は、千葉大学医学部病院消化器内科の協力を得て、身体症状の中でも多い症状である腹部症状への緩和の技法を新たに追加し、マニュアルの改訂を行った。また、腹部症状の評価項目を加えたシングルアーム・パイロット試験のデザインで倫理審査小変更申請・承認を得てリクルート開始し、現在、3名がエントリーしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響により、研究の開始や患者リクルートに予想外の時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
千葉大学医学部附属病院認知行動諜報センター、消化器内科、精神神経科と連携しながら被験者リクルートを行い、介入研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行により、国内外の学会発表等が行えなかったため、旅費が生じなかった。今年度は被験者リクルートが停滞し、被験者への謝礼が生じなかった。次年度は被験者への謝金および調査研究費用、論文の英文校正としての使用を予定している。
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