2020 Fiscal Year Research-status Report
An Ethnographic Exploration of Culture and Values among Refugees in Japan
Project/Area Number |
20K23221
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 麻紀 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (40877065)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | インドシナ難民 / 難民コミュニティ / 看護ケアモデル / 文化ケア / エスノグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,在日インドシナ難民の第1世代と第1.5世代(幼少期に来日)及び第2世代を対象とし,在日難民の価値観や文化が尊重され,難民自身が希望する生活,すなわち「その人らしく生きる」とはどのようなことかを明らかにし,在日難民がその人らしく生きることに必要な要素を抽出することを目的としている。難民の尊厳を守り,難民自身の価値観が尊重され,日本における難民の文化的に妥当な看護ケアモデルの構築を目指す。 研究課題1として,在日難民の「その人らしく生きること」とはどのようなことか,を明らかにするために,文化的活動を営んでいるコミュニティの中で,研究者自身が長期的にその営みを観察記述し解釈する方法であり,現地の人の視点から生活の仕方を理解する方法であるエスノグラフィーを用いて研究を実施する。研究課題2として,在日難民がその人らしく生きることに必要な要素の抽出を目的とし,研究課題1で得られたデータの二次分析及び文献検討により,在日難民の「その人らしく生きること」に関する価値観や文化が尊重され,希望する生活に必要な要素の抽出を行う。 名古屋大学大学院医学系研究科生命倫理委員会の承認を得た。また,対象の在日難民コミュニティの代表者に研究実施の承諾を得ている。研究計画では,研究課題1を目的とした在日難民コミュニティにおいて,対象者の生活や何を大切にしているのかといった視点の参与観察及びこれまでの経験や生活を踏まえ「その人らしく生きること」,価値観や文化,希望する生活についてのインタビューを実施している予定であったが,新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,在日難民コミュニティの文化的行事等も中止となっており,実施出来ていない状況である。電話やSNSを用いて,対象の在日難民コミュニティの状況を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い,在日難民コミュニティの重要な文化的行事等も中止となっており,在日難民の生活にも大きく影響を及ぼしている状況である。他県の在日難民コミュニティにおける参与観察及びインタビューが中止・延期となっているため,計画の進捗に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症拡大状況と在日難民コミュニティの状況を踏まえ,研究活動に支障のない状況となったら,対象者の安心・安全に十分に配慮し,研究課題1の在日難民コミュニティにおける参与観察及びインタビューを開始する。その後,研究課題2として,研究課題1で得られたデータの二次分析及び文献検討により,在日難民の「その人らしく生きること」に関する価値観や文化が尊重され,希望する生活に必要な要素の抽出を行い,在日難民の声を反映した日本式の看護ケアモデルの構築を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,神奈川県及び兵庫県における研究打合せ、調査・研究旅費の使用経費が持ち越しとなった。
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