2023 Fiscal Year Research-status Report
看護実践に認知行動療法を導入する過程の明確化:実践的な普及方策の提言を向けて
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20K23225
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 佑太 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70882166)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / 看護師 / 臨床実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知行動療法は、様々な精神疾患への効果が示されている精神療法の一つである。しかしながら本邦では普及が進んでいないことが指摘されている。近年では、看護師が普及に貢献できる職種の一つとして期待されており、医師と看護師の協働による認知行動療法が保険点数化されているが、その実施率は低い現状にある。そこで本研究では、認知行動療法の学習や実践に取り組んでいる看護師を対象にインタビュー調査を行い、看護実践での認知行動療法の実施を阻害する具体的要因とその対処方法を明らかにすることを目的とする。本研究により、看護師が認知行動療法を日常臨床に導入するための効果的な方策を検討できると考える。 2023年度は、外来や病棟で認知行動療法を実施している看護師12名(男性8名、女性4名)から得られたインタビューデータをもとに、看護師が認知行動療法の学習から実践する過程で直面する困難と、それらの困難に対する取り組みや認知行動療法の実践に関して日常的に意識して行っていることなどを中心に分析を進めた。対象者のうち、8名が現在認知行動療法を実施しており、4名が過去に実施したことがあった。多くの対象者が認知行動療法を新たに始める際に周囲からの理解を得ることに困難を感じており、また、実践を始められたとしてもタイムリーかつ継続的な助言・指導を得られる環境が整備されていないと感じていた。その一方で、これらの困難に対し、日頃から同僚の看護師や医師らとコミュニケーションを意識的にとり関係性を構築しておくことや、学会や研修などで得られた認知行動療法を実践する看護師のネットワークを活用し助言や指導を受けるといった工夫をしている対象者もいた。2024年度は、必要に応じて追加インタビューを進めつつ、分析を完了し、成果発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大学教員としての業務に関するエフォートならびに育児時間が増加したため、分析に要する時間を確保することが困難となり、当初の予定よりも遅れている。次年度は様々な調整を行いながら、より計画的に研究を遂行できるようにする。
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Strategy for Future Research Activity |
各所との調整を行いながら計画的にデータ分析を行う時間を設け、成果発表まで到達できるように進めていく。
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Causes of Carryover |
2023年度内にインタビューデータの分析が完了しなかったため、追加で生じうるインタビュー調査、成果発表にかかる経費等に余剰が生じた。2024年度は、前述の研究活動にかかる経費として使用する予定である(文字起こし費用、参考書購入費、学会参加費、英文校正費など)。
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[Presentation] Factors Associated with Quality of Life in Young Carer Students at College: Comparison with Other College Students2024
Author(s)
Tsuru Misato, Chiba Rie, Hirota Misato, Hayashi Yuta, Kobiki Hideo, Inagaki Akiko, Ohkawa Hiroko, Funakoshi Akiko, Kawada Mami, Fujita Yuichi, Kido Yoshifumi
Organizer
27th East Asian Forum of Nursing Scholars
Int'l Joint Research
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