2020 Fiscal Year Research-status Report
子育てと仕事の両立で母親が発揮する調整力の解明―新たな支援モデルの提唱に向けて
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20K23239
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
和田 直子 新潟医療福祉大学, 看護学部, 講師 (60646644)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 産業看護職 / 子育て / 仕事 / 両立支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
職場における子育てと仕事の両立支援を円滑に推進するためには、労働者の心身の健康を労働の場で支援する産業看護職の存在が重要となる。しかし、産業看護職が行う両立支援の現状について全国的な調査はなされていない。そこで、令和2年度に産業看護職を対象とした両立支援の実態調査を行った。具体的には、2020年11月18日時点の東証1部上場企業1,909社に対し産業看護職を対象とした調査を行った。具体的な調査内容は、産業看護職の属性、両立している女性労働者からの相談内容と対応、上司同僚からの相談内容と対応、産業看護職が両立支援を行うことの必要性と困難性、両立支援における産業看護職の役割、産業看護職が捉える両立支援の課題、産業看護職が捉えている両立している女性労働者の特徴である。現時点で分析できている結果は、属性、母親からの相談内容と産業看護職の対応である。母親からの相談内容は、「プライベートに関する相談」と「仕事に関する相談」、「両立支援制度に関する相談」、「自分自身に関する相談」の4つのカテゴリーに分けることができた。産業看護職はこれらの相談に対し個別の健康相談に加えて、専門機関の相談窓口紹介や両立支援制度の紹介、働き方や労働時間の確認と管理者への注意喚起、セミナー企画と開催、相談窓口の設置や医療器具の貸し出し等様々な対応を個別、集団に対し行っていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度予定していた計画は、①産業看護職を対象とした両立支援の実態調査と②子育てと仕事を両立している母親を対象とした調整力に関する面接調査であった。①の産業看護職への調査は予定通り実施することができたが、②については対面での調査が困難だったことや対象者側のweb環境が整っていなかったことなどから実施することができなかった。しかし次のプロセスに進むための準備をしており(次年度予定している母親を対象としたweb調査のプレテストの実施)、本調査で必要な回答数が得られる見込みがついたため、準備が整い次第調査を行うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、子育てを仕事を両立している母親を対象としたweb調査を実施する予定である。既にプレテストを終了しており、必要な回答数が得られる見込みである。計画通りに実施できるようweb調査会社とも綿密に連絡をとり実施する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた子育てと仕事を両立している母親に対する面接調査を実施することができなかったために次年度使用額が生じた。実施できなかった理由は、対面での面接調査が実施できなかったこと、対象者側のweb環境が整っていなかったことである。しかし、面接調査を受けていただける新たな対象者を既に確保できたため、次年度に速やかに調査を行う予定である。
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