2021 Fiscal Year Research-status Report
ポリファーマシーを解消するための介入方法の開発に向けた基礎調査
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20K23246
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
梶 有貴 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 特任研究員 (40888476)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / ポリファーマシー / 低価値医療 / 阻害因子・促進因子 / 普及と実装科学 / 実装戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高齢者に対するポリファーマシー(多剤併用)を解消する際の阻害要因・促進要因についてまとめることを目的としており、2021年度には実際に前年度に翻訳した「実装科学のための統合フレームワーク[Consolidated Framework for Implementation Research :CFIR]」を用いたインタビュー調査の実施を予定していた。
がん領域におけるポリファーマシーの原因となる薬剤の一つとして、低リスク患者へのがん化学療法誘発性悪心・嘔吐に対する予防的制吐療法(Chemotherapy-induced nausea and vomiting: CINV)が挙げられ、これは、米国癌治療学会をはじめとする各種診療ガイドラインやChoosing Wiselyの推奨の一つとして含まれているものの、プラクティスでは使用されていることの多い薬物療法として知られている。その要因となる予防性制吐剤を減らす際の阻害・促進要因についてのCFIRを用いた質的インタビュー調査を計画し、そのプロトコール論文をBMJ Open誌に投稿・受理済みであり、出版を待つ段階である。また、インタビュー調査は既に対象施設に実施済みであり、現在そのインタビュー内容のコーディングが終了し、その内容の精査・解析中を行っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
がん領域に関するポリファーマシーの阻害因子・促進因子の調査はおおむね進行しているも、当初予定していたプライマリ・ケア領域をはじめとするがん領域以外の調査については、新型コロナウイルス感染症の流行が継続しているなどの事情から、実施ができていないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
プライマリ・ケア領域での調査として、実現可能性を考慮し阻害要因・促進要因についてのWebベースの質問紙調査に切り替える。現在、日本プライマリ・ケア連合学会の会員を対象とした、ポリファーマシーをはじめとする低価値医療(low-value care)全般の阻害要因・促進要因を調べる質問紙調査を計画している。
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Causes of Carryover |
当初はプライマリ・ケア医を対象としたインタビュー調査を予定していたが、新型コロナウイルスの流行の影響から実施困難となったため、次年度使用額が生じた。今後はプライマリ・ケア医を対象とするWebベースの質問紙調査に切り替える予定であり、その費用として使用する予定である。
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