2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of analytical methods for residual antibiotics in processed food
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20K23248
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
平田 祥太郎 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (40880472)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 加工食品 / 加工係数 / 残留抗生物質 / オキシテトラサイクリン / オクタノール水分配係数 / 相関関係 / 模擬残留試料 / 実残留試料 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は調理加工に伴う抗菌性物質の加工係数評価に着手した。8種抗菌性物質を注射した模擬残留試料およびオキシテトラサイクリン実残留試料を用いて、茹で加工/揚げ加工時の加工係数を評価した。検討の結果、以下のことが明らかになった。 1. 注射により模擬残留試料の確保を試みたところ、十分に対象8物質を保持する試料を調製することができた。2. 茹で加工/揚げ加工による加工係数は物質間および加工条件間において差異が認められた。3. 茹で加工においては水溶性の高い物質が減少しすく、揚げ加工においては脂溶性の高い物質が減少しやすいことが分かった。4. オキシテトラサイクリンについて模擬残留試料と実残留試料で加工係数を比較したところ、両試料間において類似した値が認められた。 これまで報告されている農作物中農薬の加工係数に関する研究においても、茹で加工では水溶性の高い農薬の減少が認められ、また揚げ加工では脂溶性の高い農薬に顕著な現象が確認されている。これは本研究で得られた知見と一致している。これらの知見より、調理加工に伴う加工係数と化合物の物理化学的性状の間にある関係は農薬および抗菌性物質に共通して存在すると考えられた。これまで農作物中農薬について、模擬残留試料と実残留試料の加工係数を比較した例でも概ね同等の加工係数が認められている。こうした模擬残留試料を用いた加工係数評価は、簡易的に加工係数を評価するために有用な方法であると考えられた。今後は実残留試料を更に収集し、更なる加工係数評価を実施していく予定である。抗菌性物質の加工係数に関与する性状が明らかになれば、加工食品を対象とした残留抗菌性物質の検査を実施するうえで有用な知見となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は当初の計画通り、調理加工に伴う水産物中抗菌性物質の加工係数を評価し、興味深い知見を得ることができた。得られた知見を基に2022年度は学会発表や査読付き学術誌への投稿を予定している。こうした進捗状況より、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの取組みにより、さつま揚げや豚カツ等の動物性加工食品を対象とした残留抗生物質の開発に成功してきた。今後は植物性の加工食品を対象に残留抗生物質分析法を検討していく予定である。抗生物質の中ではオキシテトラサイクリン等が農薬として使用されており、植物性の加工食品に残留している可能性がある。しかしながら、植物性の加工食品を対象とした残留抗生物質の試験法はこれまで検討されておらず、新規性の高い有用な研究になると考えられる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:新型コロナウイルス感染症拡大に伴い参加予定であった学会がオンライン開催となった。そのため、旅費等の使用額が予定より少なくなった。また在宅勤務の増加により実験器具や消耗品の使用が予定より少なくなったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額の使用計画:2022年度は香辛料等の植物性加工食品を対象とした残留抗生物質試験法の開発に使用する予定である。新型コロナウイルス感染症拡大の状況次第ではあるが、次年度使用額を用いて積極的に学術学会に参加し、食品化学的知見の収集に努めていきたい。
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Research Products
(4 results)