2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of analytical methods for residual antibiotics in processed food
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20K23248
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
平田 祥太郎 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (40880472)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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Keywords | 果実加工食品 / りんごジュース / 抗生物質 / オキシテトラサイクリン / 小スケール化 / 妥当性確認 / 残留農薬 / 食の安全安心 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はりんごジュース(果実加工食品)を対象に抗生物質の一つオキシテトラサイクリンを迅速かつ簡便に検出できる分析法を検討した。検討の結果、以下3つのことが明らかとなった。 1. 食品衛生法においてりんごに対してオキシテトラサイクリン残留基準があるが、分析法の検討はこれまで実施されていない。そこで最初に、厚生労働省から示されている未加工食品を対象としたオキシテトラサイクリン通知分析法をりんごジュース(透明タイプおよび混濁タイプ)に準用した場合に、試験操作および分析性能が良好か評価することにした。その結果、混濁タイプの試験の際に固相カラム通液に置いて通液が不良となり、回収率も80%以下となることが分かった。これより、通知分析法は混濁タイプに不適であると考えられた。 2. りんごジュース(混濁タイプ)には一般的な農産物に比べてペクチンが豊富に含まれている。ペクチンは固相カラム通液に悪影響を与えることが知られている。そこで、通知法における試料量(20 g)および固相カラム(2種連結)を小スケール化した改良法を検討することにした。改良法では試料量(10 g)、固相カラム(1種単独)で実施した。改良法を混濁タイプに適用した際には、カラム通液は良好で、回収率は80 %以上となった。 3. 改良法の性能評価のため妥当性確認(試験者1人、1日2併行、5日間)を行った。その結果、真度は70~120 %の範囲内にあり、併行精度および室内精度はともに10 %以下であった。これらの結果は厚生労働省の妥当性確認ガイドラインの目標値を満たしていた。 改良法はりんごジュースに対して十分な真度および精度で試験可能であった。これより、りんごジュースを対象とした残留オキシテトラサイクリン分析法を開発できたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は当初の計画通り、りんごジュース中オキシテトラサイクリンの残留試験法を確立し、興味深い知見を得ることができた。得られた知見を基に学会発表や査読付き学術誌への投稿を実施した。こうした進捗状況より、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの取組みにより、農薬として使用される抗生物質を対象に残留分析法の開発に成功してきた。近年、梅栽培において抗生物質ストレプトマイシンの耐性菌が増加しており、その対策としてオキシテトラサイクリンの利用が活性化している。これより、農薬として使用されたオキシテトラサイクリンが梅加工食品に残留しているおそれがある。しかし、梅加工食品を対象とした残留抗生物質の分析法はこれまで検討されていない。 今後はこれまでの知見を活かして、梅加工食品を対象に残留抗生物質分析法を検討していく予定である。学術的な新規性が高く、食の安全安心確保の有用な研究になると考えられる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い参加予定であった学会がオンライン開催となった。そのため、旅費等の使用額が予定より少なくなった。また在宅勤務の増加により実験器具や消耗品の使用が予定より少なくなったため、次年度使用額が生じた。 2024年度は梅酒等の梅加工食品を対象とした残留抗生物質分析法の開発に使用する予定である。そのため梅加工食品試料および分析用カラム等の購入を実施する。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の状況次第ではあるが、積極的に学術学会に参加し、食品化学的知見の収集に努める予定である。
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Research Products
(9 results)