2021 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腰痛症例の体幹筋の外乱応答に対する効果的な運動療法の解明
Project/Area Number |
20K23249
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大須賀 聡 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (90884180)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 運動療法 / 慢性腰痛症 / 筋活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では慢性腰痛症例に対する有効な運動療法を明らかにすることを目的とし、体幹回旋方向への外乱動揺に対する体幹筋反応を評価可能な装置を開発した。本年度においては本装置により測定された体幹筋反応の再現性の検討を行った。対象は健常成人15名として、体幹筋反応の測定には表面筋電計を使用した。初回測定日より1週間後に同一検者による再測定を行った。外乱動揺として与える負荷量は、各被験者の体重比30%と設定した。右回旋、左回旋それぞれ試行回数を5回として、主動作筋群の活動開始時間、拮抗筋群の活動停止時間を算出し、初回測定日と再測定日に測定された値から検者内信頼性(ICC(1,5))を解析した。結果として、右回旋方向への外乱動揺に対する体幹筋反応の検者内信頼性は活動開始時間:0.90 (073 - 0.97)、活動停止時間:0.89 (0.76 - 0.91)であった。左回旋方向への外乱動揺に対する体幹筋反応の検者内信頼性は活動開始時間:0.85 (0.78 - 0.91)、活動停止時間:0.80 (0.69 - 0.89)であった。以上の結果から、本装置にて評価される主動作筋群の活動開始時間、拮抗筋群の活動停止時間はいずれも再現性の高い評価が可能であることが示唆された。 現在我々は本装置を用いた体幹筋反応を評価指標として、慢性腰痛症例に対する運動療法による介入研究を継続中である。2名の慢性腰痛症例の測定を行い、慢性腰痛症例の主動作筋群の活動開始時間が健常群と比較して遅延する傾向があることを確認している。今後は運動療法介入により体幹筋反応に変化が認められるか明らかにするため、さらなる研究を継続していく予定である。
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