2021 Fiscal Year Research-status Report
素早いステップ動作時の動的安定性の加齢変化および転倒との関連について
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20K23253
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 丈博 京都大学, 医学研究科, 研究員 (70882348)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 動的バランス能力 / RFD / 足底屈筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、素早い力発揮能力(RFD)が関連する動的バランス能力を簡便に測定する方法を研究課題としている。今年度は、研究課題に適した動的バランス課題の選定を目的とした研究を実施した。 我々は、静的バランス能力である片脚立位姿勢制御には足関節底屈の最大筋力よりも力発揮から100msの短い区間におけるRFD(early-RFD)が関連することをこれまで明らかにしてきた。しかしながら、足関節底屈early-RFDの増大によって動的バランス能力が向上するかどうかについては明らかではない。今年度は、足関節底屈の等速性収縮運動の即時効果によるearly-RFDの増大が動的バランス能力の向上に寄与するのかについて検討した。 健常若年者27名(男性13名、女性14名、年齢:23.3±4.3歳)を対象とし、足関節底屈の等速性収縮運動前後に足関節底屈RFD及び動的バランス能力を測定した。動的バランス能力測定として、片脚立位保持中に支持面を急速に後方水平移動させる外乱動揺課題を実施し、外乱前後での足圧中心(COP)の前方最大変位量と刺激直後のCOP前後軌跡長を測定した。等速性収縮運動直後にearly-RFDの増大効果が得られた増大群と増大効果がみられなかった非増大群の2群に対象を分類し、対応のあるt検定を用いて各群で運動前後の動的バランス指標について比較した。 分析の結果、early-RFD増大群においては動的バランス指標が有意に減少し、姿勢制御能力は向上していた。一方、非増大群ではいずれの姿勢制御指標も有意な変化は認められなかった。本研究の結果、速い速度で足関節底屈の等速性収縮運動をした直後に足関節底屈early-RFDが向上した者においては動的バランス能力も向上することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、動的バランス能力評価における慣性センサデータの妥当性と信頼性について検証しするため、若年者を対象としてデータ収集を実施した。 京都大学大学生を対象にリクルートしていたが、COVID-19の影響により上半期は対面講義が行われなかったためリクルートに大幅な遅れが生じた。また、データ測定にも遅延が生じたためデータ測定の完了が年度末になってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
全対象者39名のデータ計測が3月末で完了し、現在データ解析を進めている。 解析によって得られたデータを用いて、①バランス能力評価指標と慣性センサデータとの関連を分析し妥当性の検証、②慣性センサデータと筋力データとの関連について分析を進める計画である。 次年度は、結果について学会発表および論文作成を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
本研究課題に関して、今年度内での結果報告が間に合わず論文投稿に至らなかった。経費の残額は次年度での学会参加費、論文投稿時の英文校正および投稿費に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)