2022 Fiscal Year Annual Research Report
素早いステップ動作時の動的安定性の加齢変化および転倒との関連について
Project/Area Number |
20K23253
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 丈博 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70882348)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 動的姿勢制御能力 / 慣性センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、3軸加速度センサを内蔵した慣性センサを用いた姿勢制御評価方法が開発されつつあり、静止立位や歩行における加速度データの再現性および妥当性が検証されている。しかしながら、不安定な支持面条件下での身体動揺を制御する動的な姿勢制御課題における慣性センサの有用性については十分検証されていない。 本研究の目的は、1)慣性センサを用いた動的姿勢制御の信頼性と妥当性を検証すること、2)運動機能との関連性について明らかにすることである。 対象は健常若年者39名とした。ディジョックボード・プラス(酒井医療社製)を使用し、不安定支持面上での立位保持課題における動的姿勢制御能力を評価した。慣性センサ(TSBD151, ATR-promotion社製)をディジョックボード本体及び下腿外側中央に取り付け、立位保持課題中の角速度データを計測した。また、運動機能評価として足関節底屈・背屈の等尺性最大筋力を測定した。対象者39名の内、データ欠損のない15名を分析対象とした。1)信頼性の検討として慣性センサから得られた角度変動について検者内再現性を検証し、基準関連妥当性の検討として、ディジョックボードの角度変動と慣性センサの角度変動との間でPearsonの相関分析を行なった。2)慣性センサの角度変動と運動機能との関連を検討するために、慣性センサの角度変動を従属変数、足底屈および背屈筋力を独立変数として重回帰分析を行なった。 結果、1)慣性センサの角度変動の級内相関係数(ICC1,5)は0.716-0.908と高い信頼性を示し、角度変動の相関係数は0.586-0.631と中程度の相関を認めた。2)慣性センサの角度変動には足背屈等尺性最大筋力が有意に関連した(R2=0.873)。 本研究の結果から、動的な姿勢制御課題においても、慣性センサを用いた姿勢動揺計測が有用であることが示された。
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Research Products
(1 results)